BesxarがFabshipの初飛行をFalcon 9第1段で完了

宇宙空間の真空を使って半導体材料をつくる技術を開発する米Besxar Space Industriesが、初の飛行実証の結果を明らかにしました。
同社の製造ユニット「Fabship」2基は2026年7月5日、SpaceXのFalcon 9の第1段に搭載されて打ち上げられ、カーマンラインを越えて地上へ帰還しています(出典: Payload「Besxar Flies Suborbital Semiconductor Demo」)。
積まれていたのは同社の基板材料と、テキサス大学オースティン校およびバージニア大学の研究者による半導体サンプルです。

3行で分かるポイント

  • Fabship 2基がFalcon 9の第1段に相乗りし、カーマンラインを越えて往復した
  • 容器が真空を取り込みつつ原子状酸素などの汚染を遮断できること、ウェハーが再突入まで保護されることを確認した
  • SpaceXとは12回の打ち上げ契約があり、2回目の飛行は2026年内が見込まれる
目次

何が発表されたか

Fabshipは、真空・微小重力・熱環境といった宇宙の性質を製造の条件として利用するモジュール式の製造ユニットです(出典: Besxar Space Industries公式サイト)。
今回飛行したのは、V1世代の2基でした。

Payloadの報道では、この飛行で確認できたのは主に3点です。
自社設計のハードウェアが飛行実績を得たこと、容器が真空を取り込みながら低軌道に存在する原子状酸素などの汚染を遮断できたこと、そしてウェハーが再突入を含む全行程で守られたことです。

同社はまた、Dauntless Venturesが主導しOverture VCが共同主導する935万ドルのシードラウンドを実施しました。
645 Ventures、Singh Capital Partners、Koru Capital、Plum Alley Venturesも参加しています。

宇宙業界にとっての意味

半導体の製造には、高い清浄度と真空が要ります。
Besxarはその条件を宇宙側に求める会社で、宇宙ステーションや専用の回収カプセルではなく、定期的に飛ぶFalcon 9の第1段に相乗りする形をとっています。
同社は、打ち上げと再突入の機会が定期的にあることで開発の反復を速められると説明しています。

ただし今回は弾道飛行で、宇宙にとどまる時間は限られます。
製造そのものを宇宙で成立させられるかは、これからの飛行で問われる段階です。

今後の注目点

BesxarはSpaceXと12回の打ち上げ契約を結んでおり、Payloadによれば2回目の飛行は2026年内が見込まれています。
同社はさらに、Starshipのような機体を使って、より長期の軌道上製造へ広げる構想を示しています。

今回の飛行で示されたのは容器とウェハーが往復に耐えることまでで、どの程度の品質の材料をつくれるかは、次以降の飛行と回収したサンプルの分析を待つことになります。

ほしまる

地上のクリーンルームは、空気からちりを取りのぞいて清浄さを保つ設備なんだ。宇宙の真空には、そもそも取りのぞく空気がないんだよ。

出典

ほしまる
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