NASAがCrew-14を発表しJAXA諏訪理飛行士が初の宇宙飛行へ

NASAは2026年9月24日、SpaceXの宇宙船で国際宇宙ステーション(ISS)へ向かう「Crew-14」ミッションの搭乗員4人を発表しました。
JAXAの諏訪理宇宙飛行士もその1人で、ミッションスペシャリストとして搭乗します。

打ち上げは早くても2027年春の予定です。
諏訪飛行士にとっては初めての宇宙飛行になります。

3行で分かるポイント

  • JAXAの諏訪理宇宙飛行士が、2027年春以降に打ち上げる米国の宇宙船でISSへ向かうことが決まった
  • 4人の搭乗員はアメリカ・日本・ロシアの3つの宇宙機関から集まり、ISSに長く滞在して実験などを行う
  • 2023年に選ばれた諏訪飛行士にとっては初めての宇宙飛行で、乗る宇宙船もこれで決まった
目次

まず押さえたい背景

ISSは、地上から約400kmの上空を回る有人の実験施設です。
アメリカ・ロシア・欧州・日本・カナダの宇宙機関が中心になって運用しています(出典:NASA「International Space Station International Cooperation」)。
NASAによると、ISSには25年以上にわたって人が途切れずに滞在し、働き続けています。

今回の搭乗員が所属する機関は3つです。
NASAはアメリカの宇宙機関、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は日本の宇宙機関で、ロケットによる輸送、人工衛星、ISSでの有人活動、宇宙科学などを担っています(出典:JAXA「JAXAについて」)。
Roscosmos(ロスコスモス)は、ISSの運用を担う機関のひとつでロシアの宇宙機関です。

ISSとの往復に使う宇宙船は、NASAが自前で持つものではありません。
NASAは「商業クルー輸送プログラム」を通じて、アメリカの民間企業から人の輸送サービスを買っています。
現在の提携企業はSpaceXとボーイングで、SpaceXは宇宙船「ドラゴン(Crew Dragon)」とロケット「ファルコン9」を使います(出典:NASA「Commercial Crew Program」)。
「Crew-14」の名前にある14という数字は、NASAがSpaceXに依頼するこのような交代輸送の14回目にあたることを示しています。

何が発表されたか

NASAの発表によると、Crew-14の搭乗員は次の4人です(出典:NASA「NASA Shares SpaceX Crew-14 Assignments for Space Station Mission」)。
宇宙船の指揮をとるコマンダーはNASAのケイラ・バロン宇宙飛行士、コマンダーと一緒に宇宙船を操縦するパイロットはNASAのクリス・バーチ宇宙飛行士です。
船内の実験や作業を担うミッションスペシャリストは、JAXAの諏訪理宇宙飛行士とロスコスモスのアルチュン・キヴィリャン宇宙飛行士が務めます。
4人はISSの第75次・第76次長期滞在の搭乗員に加わり、月や火星の探査への準備や地上の暮らしに役立つ科学実験と技術実証を行います。

バロン飛行士は2021年のCrew-3に続いて2回目の飛行で、前回は計177日間を宇宙で過ごしました。
バーチ飛行士と諏訪飛行士は今回が初めての宇宙飛行で、キヴィリャン飛行士もISSへの飛行は初めてです。

諏訪飛行士は1977年生まれで、米国のプリンストン大学大学院で地球科学の博士号を取得しました(出典:JAXA有人宇宙技術部門「諏訪 理 宇宙飛行士」)。
青年海外協力隊でのルワンダ派遣、国連の世界気象機関(WMO)、世界銀行を経て、2023年7月にJAXAに入りました。
2024年10月にJAXA宇宙飛行士に認定され、2026年1月には2027年ごろに打ち上げる予定のISS長期滞在の搭乗員に指名されていました。

宇宙業界にとっての意味

今回の発表で、諏訪飛行士が乗る宇宙船と、一緒に飛ぶ搭乗員が決まりました。
2026年1月の記者会見の時点では搭乗する宇宙船は決まっておらず、JAXAは決まってから機体に特化した訓練を始める予定だと説明していました(出典:JAXA有人宇宙技術部門「JAXA 諏訪理宇宙飛行士の国際宇宙ステーション(ISS)長期滞在搭乗員決定に関わる記者会見」)。
宇宙船がドラゴンに決まったことで、訓練はクルードラゴンを前提にした段階へ進むことになります。

JAXAによると、諏訪飛行士のISS長期滞在は日本人宇宙飛行士として8人目で、日本人の長期滞在としては通算15回目です。
滞在中は、日本実験棟「きぼう」を含むISSの維持・保全や科学実験、運用の支援を担当する予定です。

搭乗員の構成は、ISSが複数の国の協力で運用されていることもよく表しています。
アメリカの民間企業の宇宙船に、アメリカ・日本・ロシアの3機関の飛行士が一緒に乗り込みます。
人を宇宙へ運ぶ輸送を民間企業のサービスとして買う仕組みは、Crew-14で14回目の交代輸送を迎えます。

今後の注目点

NASAが示した打ち上げ時期は「早くても2027年春」で、具体的な打ち上げ日は今後決まります。
打ち上げ日や滞在期間、ISSで行う実験の内容が正式に発表されるかどうかが、次の確認ポイントです。

諏訪飛行士にとってはここから、4人のチームとしての訓練が本格化していきます。

出典

ほしまる
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