宇宙関係の仕事を職種別に解説!文系理系で違うなり方と必要なスキル

宇宙関係の仕事を職種別に解説!文系理系で違うなり方と必要なスキル
  • 「宇宙関係の仕事に就きたいけれど、宇宙飛行士になれる気はしない」
  • 「理系だけど宇宙工学の専攻じゃない。もう手遅れなのかな」
  • 「文系だと、宇宙の仕事はさすがに無理ですよね」

宇宙の仕事を調べ始めた人が、最初にぶつかる壁です。

結論からいうと、宇宙関係の仕事の大半は地上にあります。
宇宙工学の専攻でなくても、文系でも就ける職種があります。
JAXAが公開している採用区分は12種類あり、宇宙飛行士候補者募集はそのうちのひとつにすぎません。

この記事は、宇宙の科学と宇宙産業の情報を一次情報と整合させて発信するASTROWORKS編集部がまとめています。

この記事で分かることは次のとおりです。

  • 開発・打上げ・運用・利用の4段階で整理した職種の全体像
  • 機械・電気・情報など理系の専攻がどの職種につながるか
  • 文系が就ける事業開発・法務・広報などの職種
  • 新卒・転職・研究のルートと、年収を公表資料で確かめる手順

読み終える頃には、宇宙業界のどこに自分の居場所がありそうか、見当がついているはずです。

ほしまる

宇宙の仕事はね、飛ぶ人だけじゃないんだ。40年の旅のあいだ、ぼくはずっと地上のみんなに支えてもらっていたよ。

目次

宇宙関係の仕事は宇宙飛行士より地上で支える職種のほうが多い

宇宙関係の仕事は、宇宙機のライフサイクルに沿って4つの段階に分けると全体像がつかめます。

段階何をするか代表的な職種
つくるロケットや人工衛星の設計・製造設計開発エンジニア、部品・材料メーカーの技術者
打ち上げる射場設備の整備・運用と安全確保射場設備エンジニア、飛行安全担当
運用する軌道上の衛星を地上から動かす衛星運用管制、軌道力学、地上局の技術者
使う衛星データを解析しサービスにするデータ解析、ソフトウェア開発、事業開発
宇宙機のライフサイクルを、つくる・打ち上げる・運用する・使うの4段階で示した図。JAXA採用区分12種類のうち宇宙飛行士はひとつにすぎないことを示す
宇宙関係の仕事をライフサイクルで4段階に整理した図。JAXAの採用区分は12種類あり、宇宙飛行士候補者募集はそのひとつにすぎない。宇宙の仕事の大半は地上で支える仕事になる。(図解はイメージです)

JAXAの採用情報のページには、新卒/既卒採用、キャリア採用、教育職採用、宇宙航空プロジェクト研究員、招聘職員採用など12の募集区分が並びます。
宇宙飛行士候補者募集は、そのうちのひとつです。
JAXA有人宇宙技術部門のサイト「宇宙のしごと」も、仕事を「JAXA宇宙飛行士」と「地上で支える人びと」の2つに分けて紹介しています(出典: JAXA有人宇宙技術部門)。

産業の裾野も、宇宙機をつくって飛ばす部分だけにとどまりません。
内閣府宇宙開発戦略推進事務局の資料は、あらゆる社会課題分野で衛星データの利活用が進んでいるとまとめています。
挙がっているのは、スマート農業、インフラ点検、防災・減災といった分野です(出典: 内閣府宇宙開発戦略推進事務局「宇宙政策基礎資料」)。

市場の規模でいうと、宇宙機器と宇宙ソリューションを合わせた日本の市場は2020年に約4.0兆円でした。
宇宙基本計画は、この市場を2030年代の早期に2倍の8.0兆円へ拡大していくと目標に掲げています(出典: 内閣府「宇宙基本計画」令和5年6月13日閣議決定)。

ほしまる

ぼくを飛ばしてくれたのも、40年ぶんの電波を受け続けてくれたのも、ぜんぶ地上のチームなんだ。

宇宙機をつくる仕事はロケットと衛星のメーカーと部品サプライヤーに分かれる

宇宙機をつくる仕事は、完成した機体をまとめるメーカーだけで成り立ってはいません。
ロケットや衛星を構成する部品・コンポーネント・材料をつくる企業も、産業の一部として位置づけられています。

その裏づけは、国の支援策の立て方に表れています。
内閣府の資料に整理された「宇宙戦略基金」の支援テーマには、次のような項目が並びます。

  • 衛星サプライチェーン構築のための部品・コンポーネント開発・実証(180億円程度)
  • 高頻度打上げに資するロケット部品・コンポーネント等の開発(195億円程度)
  • 材料サプライヤによる供給能力の向上に向けた主要材料の取り組み

いずれも、完成機そのものではなく、その手前の部品・材料を対象にした支援です(出典: 内閣府宇宙開発戦略推進事務局「宇宙政策基礎資料」)。
電子部品・機構部品・金属材料・接着剤・配線といった領域で技術を積んできた人にも、宇宙に接続する経路があります。

宇宙機の製造に関わる企業は、おおまかに次のような層に分かれます。

  • ロケットや人工衛星をシステムとしてまとめるメーカー
  • 推進系・電源系・通信系などのコンポーネントを供給する企業
  • 構造材や電子部品といった素材・デバイスを供給する企業
  • 地上の試験設備や治具を設計・製作する企業

「宇宙企業に転職しなければ宇宙の仕事はできない」という前提は、産業構造を見ると違うと分かります。
いま勤めている会社が宇宙向けの部品を手がけていれば、社内異動でも宇宙に関われる可能性があります。

打ち上げを支える仕事は射場の設備と安全管理が中心になる

ロケットを設計する仕事と、ロケットを打ち上げる仕事は別の職能です。
打上げ側の中心にあるのは、射場の設備と、周囲の安全を確保する業務です。

JAXAのキャリア採用のページには、編集部が確認した時点では、宇宙輸送システムの募集業務として次の3件が掲載されていました(出典: JAXA「キャリア採用」)。

  • 基幹ロケット等に関するシステム設計解析及び飛行安全業務
  • H3ロケット等に適用する自律飛行機能及び静止衛星を活用したデータ取得技術に関する開発業務
  • ロケット打上げ射場設備に係る開発・運用・射場安全業務

「飛行安全」「射場安全」は、設計業務の一部としてではなく、独立した募集業務として並んでいます。
ロケットが予定の経路を外れた場合にどう対処するかを設計し、当日の判断基準をつくる担当がいます。

打上げの現場は、設備だけでも動きません。
内閣府の資料は、打上げの際には「航空・船舶、漁業・農業関係者、地域住民等との調整などが必要」と記しています(出典: 内閣府宇宙開発戦略推進事務局「宇宙政策基礎資料」)。
海と空の通行を止め、地元の理解を得たうえで、はじめて秒読みが始まります。

日本の射場も、いまはJAXAの施設だけではありません。
同じ資料には、JAXA種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町、H3)とJAXA内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町、イプシロン等)が挙げられています。
これに加えて、北海道スペースポート(北海道大樹町)とスペースポート紀伊(和歌山県串本町)も並びます。

高頻度の打上げを実現するには設備も射点も足りない、という課題認識も同じ資料に示されています。
設備の設計・維持・運用ができる人から見れば、宇宙の入り口は地上に増えています。

理系の専攻は宇宙関係の仕事でそのまま職種につながる

理系のみなさん知りたいのは、自分の専攻がどこで使われるかだと思います。
JAXAのキャリア採用の募集区分を並べると、専攻との対応がそのまま見えてきます。

専攻・これまでの経験つながりやすい領域JAXAキャリア採用に掲載されていた募集業務の例
機械・材料・流体宇宙輸送システム基幹ロケット等に関するシステム設計解析及び飛行安全業務
電気電子・通信人工衛星光通信技術及び衛星システムに係る研究開発
情報・制御先導的かつ基盤的な技術研究・開発将来の宇宙活動に向けた基盤技術(GNSS航法技術又はロボティクス)の研究開発業務
電力・パワーエレクトロニクス先導的かつ基盤的な技術研究・開発デジタル技術を活用したインテリジェント電力制御システムの研究開発
物理・宇宙科学宇宙科学・探査観測ロケットの打上げ高頻度化に向けた搭載技術に関する研究開発業務
情報セキュリティ情報・サイバーセキュリティ、情報システム基盤航空技術部門プロジェクトネットワークの構築・維持・運用及び情報セキュリティに関する業務
品質管理・信頼性工学安全・信頼性・品質管理人工衛星システムのミッション成功に向けた安全・信頼性向上活動に関する業務

(出典: JAXA「キャリア採用」。表内の募集業務名は編集部が確認した時点の例示です。掲載内容は随時入れ替わるため、最新情報はJAXAキャリア採用の公式ページで確認してください)

機械・材料・流体、電気電子・通信、情報・制御、物理・宇宙科学、品質管理・信頼性工学の理系専攻が、それぞれロケット・人工衛星・GNSS航法・宇宙科学探査・安全信頼性品質管理の分野につながることを示した図
理系の専攻と宇宙の職種の対応。機械・材料・流体はロケット・宇宙輸送、電気電子・通信は人工衛星・光通信、情報・制御はGNSS航法・ロボティクス、物理・宇宙科学は宇宙科学・探査、品質管理・信頼性工学は安全・信頼性・品質管理につながる。(図解はイメージです)

宇宙工学を専攻していないと不利になる、という思い込みは、この一覧を見ると弱まります。
JAXAの新卒採用サイトも「宇宙航空分野以外にも、文理問わず幅広い分野から採用」と明記しています(出典: JAXA新卒採用サイト)。

設計開発エンジニアは構造と電源と通信など機能ごとに担当が分かれる

「衛星をつくる」という一言は、実際には機能ごとに分かれた複数の担当の集まりです。
人工衛星は、機体を支える構造、電力を生み出して配る電源、地上とやり取りする通信、姿勢を保つ制御など、サブシステムの組み合わせで動きます。

分業の実態は、募集職種の名前に表れます。
JAXAのキャリア採用には「光通信技術及び衛星システムに係る研究開発」や「デジタル技術を活用したインテリジェント電力制御システムの研究開発」が並んでいました。
民間側も同じです。

小型SAR衛星を開発するSynspectiveの公式採用ページには「衛星開発システム第1部」「衛星開発システム第2部」という部署区分がありました。
Satellite Systems EngineerやSenior EPS Engineerといった職種も掲載されています(出典: Synspective「Welcome to Our Career Page」)。
EPSは電源系を指す呼び方で、電源だけで専任の求人が立つほど担当が細かく割れています。

設計開発の担当領域を大づかみにすると、次のようになります。

  • 構造・機構は、打上げ時の振動と軌道上の温度差に耐える機体をつくる
  • 電源は、太陽電池とバッテリで電力をつくり、機器へ配る
  • 通信は、地上とのデータ送受信の経路と電波の設計を担う
  • 姿勢制御は、アンテナやセンサを向けたい方向へ機体を保つ
  • システム設計は、これらを重量と電力と予算の範囲でまとめる
設計開発、打上げ・安全、運用管制、データ利用の4領域を代表的な業務とともに示した図。衛星に直接触れないデータ側の仕事も含まれることを示す
宇宙機は設計開発・打上げ安全・運用管制・データ利用の4領域の分業で動いている。構造・電源・通信・姿勢制御といった設計開発の担当に加え、衛星に直接触れないデータ側からも関われる。(図解はイメージです)

自分の専門がこのうちのひとつに重なっていれば、宇宙機の全体を知らなくても入り口に立てます。
むしろ最初から全体を見る職種は少なく、機能ごとの担当から始まるのが一般的な形です。

運用管制の仕事は打ち上げ後の衛星を地上から動かし続ける

衛星の仕事は、打ち上がった瞬間に終わりません。
むしろそこから、数年から十数年にわたる運用が始まります。

JAXA追跡ネットワーク技術センターは、この仕事をこう定義しています。
「人工衛星や宇宙機の打ち上げ後に、投入軌道を確認し、データの送受信や監視制御を行うことを総称して『追跡管制』と呼びます」(出典: JAXA追跡ネットワーク技術センター「人工衛星の追跡管制とは」)。

同センターによると、追跡管制は3つのシステムで構成されます。

  • 追跡ネットワークシステムは、国内・海外の地上局を筑波宇宙センターの追跡管制室から遠隔で運用し、データを送受信する
  • 軌道力学システムは、人工衛星の軌道決定や軌道予測を行う
  • 衛星管制システムは、人工衛星や探査機の監視制御を行う

大型のパラボラアンテナを持つ地上局を遠隔で動かす体制ですから、必要な職能もひとつではありません。
アンテナと無線設備を扱う技術、軌道を計算する力学の知識、衛星の状態を読み解いて指示を出す運用の技術が組み合わさります。

JAXAのキャリア採用にも「降水レーダ衛星(PMM)の衛星管制システムの開発」「人工衛星等の追跡ネットワークシステム(地上)に関する研究開発業務」が掲載されていました。
開発と運用の両方に人が要る領域です。

衛星は地上の勤務時間に合わせて飛んでくれません。
可視時間に合わせた当番や交替の勤務が生じる点は、職種を選ぶ前に知っておきたい実情です。

衛星データの解析とソフトウェア開発はIT人材の主要な入り口になる

宇宙機に触れなくても宇宙に関わりたいなら、データ側がもっとも広い入り口になります。
政策文書が描く需要の広がりが、その理由です。

内閣府宇宙開発戦略推進事務局の資料は、スマート農業やインフラ点検、防災・減災など、あらゆる社会課題分野で衛星データの利活用が進んでいるとまとめています。
同じ資料には課題も挙がっています。
国内スタートアップ等が提供する衛星データを関係府省で積極調達・利用し、初期需要を創出する必要がある、という指摘です(出典: 内閣府宇宙開発戦略推進事務局「宇宙政策基礎資料」)。

データを扱う環境も整いつつあります。
衛星データプラットフォーム「Tellus」は、経済産業省の「政府衛星データのオープン&フリー化及びデータ利活用促進事業」の取り組みとして開発されたものです(出典: Tellus「テルースの概要」)。
複数のプロバイダーをまたいで条件検索ができ、Webブラウザ(Tellus Traveler)、API、QGISプラグインという3つの入り口が用意されています。

この領域で求められる職能は、ソフトウェア業界の言葉に近いところにあります。

  • 衛星画像を処理する画像解析・機械学習の技術
  • 大量のデータを扱うバックエンドとクラウド基盤の設計
  • 地図とデータを重ねて見せる地理情報システムの知識
  • 利用者の業務課題を要件に落とす設計力

Synspectiveの公式採用ページにも、Data Production DepartmentとSolution Development Departmentという部署が置かれていました。
募集職種には、SAR Image Processing EngineerやBackEnd Engineerが並びます。
衛星そのものを設計した経験がなくても、扱うデータの出どころが衛星に変わるだけで、仕事の中身はソフトウェア開発として成り立っています。

品質保証と安全信頼性は一度きりの打ち上げを成立させる専門職になる

宇宙機は、打ち上げたあとに手で直せません。
だからこの産業には、つくる人とは別に「壊れないことを保証する人」が専任で置かれます。

JAXAのキャリア採用は、募集の大区分そのものに「安全・信頼性・品質管理」を立てており、「人工衛星システムのミッション成功に向けた安全・信頼性向上活動に関する業務」が掲載されていました。
設計や製造の下にぶら下がる作業ではなく、ひとつの専門領域として枠が立っています。

制度の側にも、この職能を必要とする仕組みがあります。
宇宙活動法にもとづく手続きは、打上げそのものの許可だけではありません。
「人工衛星の打上げ用ロケットの型式認定」と「打上げ施設の適合認定」も定められています(出典: 内閣府「宇宙活動法に関する情報及び申請受付について」)。

打上げ実施者には、ロケット落下等損害についての無過失責任と責任集中が規定され、打上げの前に損害賠償担保措置を講じる義務があります。
民間の保険でカバーできない損害には、3,500億円を上限額として政府が補償する枠組みも置かれています(出典: 内閣府宇宙開発戦略推進事務局「宇宙政策基礎資料」)。

品質と安全の仕事が扱うのは、次のような領域です。

  • 部品や材料が要求どおりの性能を持つかを確かめる審査
  • 故障の起こり方を洗い出し、影響を評価する解析
  • 試験の計画と記録、不具合が出たときの原因追跡
  • 認定や許可の申請に必要な技術文書の整備

自動車・半導体・医療機器・プラントなど、失敗が許されない製造業で品質保証を担ってきた人にとって、考え方の骨格が近い領域です。
宇宙の知識より先に、記録と検証の作法が効きます。

文系が就ける宇宙関係の仕事は事業開発から法務や広報まで広がる

「文系だと無理では」という不安には、公式の職種区分が答えになります。

JAXAの新卒採用サイトは、事務系の業務を「プロジェクト・研究開発の事業推進、経営企画、総務、法務、調達、財務、人事、広報・教育」などと説明しています(出典: JAXA新卒採用サイト)。
キャリア採用の側にも「宇宙航空事業における契約・調達業務」「宇宙戦略基金事業の企画、運営及び推進等に関する業務」が掲載されていました(出典: JAXA「キャリア採用」)。

非技術職が担う領域を整理すると、産業の中核に位置しているのが分かります。

  • 事業推進・経営企画は、プロジェクトの計画と予算を回す
  • 調達・契約は、部品からロケットまでの取引条件を組み立てる
  • 法務は、許認可と国際的な取り決めに合わせて事業の形を整える
  • 広報・教育は、成果を社会に伝え、次の世代を育てる
  • 人事・財務は、事業を続けるための人と資金を確保する

事業開発と営業は衛星データを使う産業側に橋をかける

宇宙で得たデータは、使われてはじめて価値になります。
その橋渡しをするのが事業開発と営業です。

需要の広がりは政策文書に表れています。
内閣府の資料は、スマート農業、インフラ点検、防災・減災といった分野で衛星データの利活用が進んでいるとまとめています。
国内スタートアップ等が提供する衛星データを関係府省で積極調達・利用し、初期需要を創出する必要があるという課題も挙げています(出典: 内閣府宇宙開発戦略推進事務局「宇宙政策基礎資料」)。
買い手を開拓する仕事が、産業の伸びしろに直結する構図です。

実際の職種名にも、その性格が出ています。
Synspectiveの公式採用ページにはBusiness Departmentが置かれていました。
データプリセールス、テクニカルカスタマーサクセス、カスタマーエンジニアといった職種が掲載されています(出典: Synspective「Welcome to Our Career Page」)。
売って終わりではなく、顧客の業務にデータを組み込むところまで伴走する形です。

この職種で効くのは、宇宙の知識よりも次の力です。

  • 相手の業務プロセスを聞き取り、課題を言語化する力
  • 技術者の説明を、顧客の言葉に翻訳する力
  • 価格と提供条件を設計し、契約にまとめる力
  • 海外の顧客やパートナーと交渉する語学力

農業、保険、物流、建設、自治体向けの営業で実績を積んできた人は、そのまま宇宙側の売り手になれます。
むしろ「使う側の業界を知っている」ことが、宇宙企業から見た希少性になります。

宇宙法と政策の仕事は許認可や国際調整で打ち上げを可能にする

ロケットは技術だけでは上がりません。
法律にもとづく許可を取ってはじめて、打上げが可能になります。

日本の宇宙活動を規律する中心は、通称「宇宙活動法」です。
正式名称は「人工衛星等の打上げ及び人工衛星の管理に関する法律(平成28年法律第76号)」で、内閣府が申請を受け付けています。
同法にもとづく手続きは、次のように分かれます(出典: 内閣府「宇宙活動法に関する情報及び申請受付について」)。

  • 人工衛星等の打上げに係る許可
  • 人工衛星の打上げ用ロケットの型式認定
  • 打上げ施設の適合認定
  • 人工衛星の管理に係る許可
  • 損害賠償担保措置の承認等

制度はこれだけではありません。
内閣府は、衛星リモートセンシング法にもとづく「衛星リモートセンシング装置使用許可」「衛星リモートセンシング記録取扱認定」の申請も受け付けています。
「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動の促進に関する法律」(宇宙資源法)も、議員立法により制定されました。
民間事業者による宇宙資源の探査・開発を促進する法律です(出典: 内閣府宇宙開発戦略推進事務局「宇宙政策基礎資料」)。

この分野の仕事が増えた理由も、資料に書かれています。
2016年のいわゆる宇宙二法(宇宙活動法と衛星リモートセンシング法)の成立以降、宇宙ビジネスに関連する環境が整備され、スタートアップの参入が進んだとされています。
事業者側では申請書類をつくり関係機関と調整する担当が、行政側では審査と制度設計を担う担当が要ります。
法学部で学んだ知識や、規制産業で許認可を扱ってきた経験が、そのまま専門性として積み上がる進路です。

広報と教育の仕事は宇宙の成果を社会に伝える役割を担う

宇宙が好きだという熱量が、そのまま職能になる領域もあります。
成果を社会に届ける広報と教育の仕事です。

JAXAの新卒採用サイトは、事務系の業務のひとつとして「広報・教育」を挙げています。
採用区分にも「教育職採用」が置かれています(出典: JAXA「採用情報」)。

教育の実務を担うJAXA宇宙教育センターは、活動の目的をこう説明しています。
「宇宙活動で得られた様々な知識や技術、データや成果をもとに、初等中等段階の子供たちを対象に、学校や地域と連携した教育支援活動を行っています」(出典: JAXA宇宙教育センター)。

同センターが公開している活動には、次のようなものがあります。

  • 教員向け研修や授業連携といった学校教育支援
  • コズミックカレッジ、宇宙の学校、宇宙教育指導者セミナーなどの社会教育活動支援
  • JAXAアカデミー、JAXAエアロスペーススクールといった体験的学習の機会
  • 画像・教材・動画などの資料提供と、情報誌「宇宙のとびら」の発行
  • APRSAF、ISEBなどの国際宇宙教育プログラム

必要になるのは、難しい内容を相手の年齢に合わせて崩す力です。
編集、映像制作、イベント運営、学校現場での指導、SNSでの発信といった経験が、そのまま素材になります。
科学館やプラネタリウムの解説員、出版社の科学編集者も、同じ資質が生きる仕事です。

宇宙プロジェクトを中心に、事業推進・経営企画、調達・契約、法務・政策、広報・教育、人事・財務が支える構造を示した図
文系の職種も宇宙プロジェクトを支える構造。事業推進・経営企画、調達・契約、法務・政策、広報・教育、人事・財務が技術者と並んで宇宙プロジェクトを取り囲んでいる。(図解はイメージです)

宇宙関係の仕事に就く道は新卒と転職と研究の3ルートに整理できる

職種が見えたら、次は入り方です。
JAXAの募集区分を手がかりにすると、経路は大きく3つに整理できます。

ルート主な入口準備しておくこと時間軸
新卒新卒/既卒採用の技術系・事務系、インターンシップ卒業年次と応募時期の確認、専攻の棚卸し在学中の1〜2年
転職キャリア採用、民間企業の中途採用実務経験の積み上げと、宇宙側の要件への読み替え経験3年以上が目安
研究大学院進学、宇宙航空プロジェクト研究員、招聘職員採用研究テーマの選択と学位の取得修士・博士で5年前後

(出典: JAXA「採用情報」「キャリア採用」、JAXA新卒採用サイト)

応募の時期や締切は年度ごとに変わります。
検討に入るときは、必ず公式の募集要項で最新の条件を確かめてください。

ほしまる

急がなくていいよ。ぼくだって、打ち上がるまでに何年も地上で待っていたんだ。

新卒、転職、研究の3ルートを、主な入口・準備期間・特徴とともに宇宙関係の仕事への道として示した図
宇宙関係の仕事に就く3つのルート。新卒(在学中の1〜2年)、転職(実務経験3年以上が目安)、研究(修士・博士で5年前後)で、入口も準備期間も異なる。いまの専門を宇宙側の言葉に翻訳することが共通の鍵になる。(図解はイメージです)

新卒ルートは技術系と事務系で選考の入り口が分かれる

学生が最初に決めるのは、技術系と事務系のどちらで応募するかです。

JAXAの新卒採用サイトは、それぞれの業務をこう説明しています。
技術系は「人工衛星・探査機・ロケット等の開発・打上げ・追跡・運用、宇宙航空に係る先導的かつ基盤的な技術研究・開発」など。
事務系は「プロジェクト・研究開発の事業推進、経営企画、総務、法務、調達、財務、人事、広報・教育」などです。

応募資格は、募集年度によって対象の卒業年が定められています。
編集部が確認した時点の記載では、新卒は2023年3月から2027年3月までに大学・大学院等を卒業(見込)・修了(見込)の方が対象でした。
就業経験がある既卒は、2019年3月から応募時点までに卒業・修了済の方です(出典: JAXA新卒採用サイト)。
在学中でなくても応募できる枠が用意されている点は、進路変更を考えている人にとって見落とせません。

学生のうちにやっておくとよいことは、次のとおりです。

  • 自分の専攻が、宇宙機のどのサブシステムに接続するかを言葉にする
  • 研究室で扱う装置・解析手法を、汎用の技術名で説明できるようにする
  • インターンシップの募集区分を早い段階で確認する
  • 完成機メーカーだけでなく、部品・材料・地上設備の企業にも目を向ける

JAXAの新卒採用サイトが「宇宙航空分野以外にも、文理問わず幅広い分野から採用」と書いているとおり、専攻名で自分を除外する必要はありません。
選考で見られるのは、専攻の看板よりも、その専攻で何を身につけたかです。

転職ルートは今の専門を宇宙に翻訳できるかで決まる

「いまから方向転換するのは遅すぎるのではないか。」

社会人の相談でいちばん多いのは、この不安です。
JAXAのキャリア採用が応募要件として挙げているのは学歴と実務経験年数で、年齢の上限は示されていません(出典: JAXA「キャリア採用」)。
問われるのは経過年数ではなく、いまの専門が宇宙側の要件に届くかどうかです。

応募要件の文言が、その考え方を端的に表しています。
学歴は「短大・高専・専門学校 卒業以上」、経験は「募集職務に応用できる分野での実務経験3年以上」です。
求められているのは宇宙での経験ではなく応用が利く経験だという一点が、選考の土台になります。

読み替えの目安として、キャリア採用の募集業務と、対応しやすい経験を並べます。

いまの経験対応しやすい募集業務の例
通信機器・光デバイスの開発光通信技術及び衛星システムに係る研究開発
電源回路・パワエレの設計デジタル技術を活用したインテリジェント電力制御システムの研究開発
制御・ロボティクス・測位将来の宇宙活動に向けた基盤技術(GNSS航法技術又はロボティクス)の研究開発業務
製造業の品質保証・信頼性人工衛星システムのミッション成功に向けた安全・信頼性向上活動に関する業務
情報システム・セキュリティプロジェクトネットワークの構築・維持・運用及び情報セキュリティに関する業務
調達・購買・契約実務宇宙航空事業における契約・調達業務

(出典: JAXA「キャリア採用」。表内の募集業務名は編集部が確認した時点の例示です。掲載内容は変動するため、最新情報はJAXAキャリア採用の公式ページで確認してください)

職務経歴書を書き換えるときは、社内用語を汎用の技術名に直すところから始めます。
「現職の会社製◯◯の担当」ではなく「高信頼性が要求される電源系の設計と検証」と書けば、募集業務の言葉に届きます。
JAXAには一度離職した人を対象とする「カムバック採用」の区分もあり、経路はひとつではありません。

研究ルートは大学院と研究機関を経て宇宙科学に関わる

宇宙そのものを研究したい人には、時間軸の違う道があります。
大学院で学位を取り、研究職として宇宙科学に関わるルートです。

JAXA宇宙科学研究所と連携する総合研究大学院大学の宇宙科学コースは、研究領域を宇宙物理学・太陽系科学・宇宙工学の3つに分けています(出典: 総合研究大学院大学 先端学術院 宇宙科学コース)。
探査機の観測データを解析する研究も、探査機そのものをつくる工学の研究も、同じ枠組みの中にあります。

研究側の入口として、JAXAの採用情報には次の区分が置かれています(出典: JAXA「採用情報」)。

  • 宇宙航空プロジェクト研究員
  • 招聘職員採用
  • 教育職採用

このルートの特徴は、成果が出るまでの時間です。
修士・博士の課程だけで5年前後、そこから任期付きの研究職を経る場合はさらに年数が必要になります。

観測装置の開発やデータ解析で積んだ技術は、企業の設計開発やデータ解析の職種にも通用します。
研究職一本に絞らず、途中で産業側へ移る選択肢を残しておくと、進路の幅が保てます。

宇宙関係の仕事の年収は公表資料のある組織から確かめる

年収は、宇宙業界の情報でもっとも推測が混ざりやすい部分です。
この記事では具体的な相場を断定せず、読者自身が一次情報にたどり着く手順を示します。

考え方はひとつだけです。
公表資料がある組織は、その資料で確かめます。
公表がない組織は「公表されていない」と受け止め、推測で埋めません。
この線引きを守ると、根拠のない数字に振り回されずにすみます。

ほしまる

数字はね、どこの誰が出したのかまで見ると、急に信用できるものになるんだ。

国の機関は給与水準が公開されているため事前に確認できる

JAXAのような国の研究開発法人は、給与に関する情報を自ら公開しています。
応募前に、自分で確かめられます。

もっとも手早いのは、JAXAの採用サイトにある「年収試算」のページです。
最終学歴(博士・修士・学士・短大)と実務経験年数(0〜50年)を選ぶと、年収の目安が表示されます。
ページには「本試算は、本給、超過勤務手当(月20時間相当)、住居手当、賞与等を含みます」と、算定に含まれる要素が明示されています(出典: JAXA「年収試算」)。

同じページには注記もあります。
「本試算は概算であり、実際の年収額は、内定後に再度算定いたします」「実際の超過勤務手当は、勤務実績に応じて変動します」と書かれています。
試算値と実額が一致するとは限りません。
給与額そのものについても「これまでのご経験等を考慮の上、機構の規定により決定します」と説明されています。

制度の中身まで見たい場合は、情報公開のページが使えます。
JAXAの情報公開には、次のような給与関係の規程がPDFで掲載されています(出典: JAXA「情報公開」)。

  • 職員給与規程
  • 任期制職員給与規程
  • 無期転換職員給与規程
  • 在外職員給与規程
  • 職員退職手当支給規程

雇用の形態ごとに規程が分かれているため、任期付きで入る場合と無期で入る場合の違いも読み取れます。
求人サイトの推定値を眺める前に、この2つを見るほうが確実です。

民間企業の宇宙職種は公表が少なく求人票で幅を見るしかない

民間企業になると、事情が変わります。
職種ごとの年収を公表している企業は多くありません。

編集部が確認した例では、小型SAR衛星を手がけるSynspectiveの公式採用ページに約49の職種が掲載されていました。
ただし給与・想定年収の記載はなく、職種名と勤務地の表示にとどまっていました(出典: Synspective「Welcome to Our Career Page」)。
公式サイトを見に行っても金額が分からない、という状態が起こります。

そのため、ネット上の「宇宙業界の平均年収」という数字を読むときは、母集団を確かめる必要があります。

  • 会社全体の平均なのか、特定職種の相場なのか
  • 上場企業の有価証券報告書のような公表資料が根拠なのか、投稿の集計なのか
  • 集計の対象年はいつか
  • 大手メーカーとスタートアップが同じ母集団に混ざっていないか

会社全体の平均年収は、管理職や勤続年数の長い社員を含んだ値です。
新卒や中途で入った直後の金額とは意味が違います。

宇宙業界だけを切り出した職種別の公的な賃金統計は、編集部が確認した範囲では見つかりませんでした。
現時点では、公表されていない領域は未公表と受け止め、応募先の求人票に記載された金額の幅と、選考過程での提示額で判断するのが現実的です。

国の機関・研究開発法人は公式の年収試算や給与規程、民間企業は公式求人票や提示条件で年収を確認するという違いを示した図
宇宙関係の仕事の年収を確かめる方法。国の機関・研究開発法人は公式の年収試算・給与規程で確認できるが、民間企業は公表が少なく求人票の条件で幅を見るしかない。平均年収の数字は母集団・対象年・職種を確認する。(図解はイメージです)

宇宙関係の仕事についてよくある質問

宇宙関係の仕事に就くには何学部に行けばいいですか

特定の宇宙系学部に限られません。
JAXAの新卒採用サイトは「宇宙航空分野以外にも、文理問わず幅広い分野から採用」と明記しています(出典: JAXA新卒採用サイト)。

技術系でどの専攻が生きるかは、キャリア採用の募集区分を見ると具体的に分かります。
掲載されている大区分には、宇宙輸送システム、人工衛星、宇宙科学・探査、航空科学技術が並びます。
さらに、先導的かつ基盤的な技術研究・開発、安全・信頼性・品質管理、情報・サイバーセキュリティと情報システム基盤、事業推進・管理系などもあります(出典: JAXA「キャリア採用」)。
機械、材料、電気電子、通信、情報、制御、物理といった理系の主要な専攻は、いずれかの区分に接続します。

学部を選ぶ段階で気にするとよいのは、宇宙という看板より、宇宙機のどの機能に関わりたいかです。
ロケットの構造や推進に惹かれるなら機械・材料系、衛星の通信や電源なら電気電子系、データ解析やソフトウェアなら情報系が近い位置にあります。
宇宙物理や惑星科学の研究を目指すなら、物理・地球惑星科学系から大学院へ進む道が中心になります。
どの入口から入っても、宇宙に接続する経路は用意されています。

文系でも宇宙関係の仕事に就けますか

就けます。
JAXAは事務系の採用を技術系と別に設けており、事業推進や調達、法務、広報・教育を非技術職が担っています(出典: JAXA新卒採用サイト)。
具体的にどの職種があるかは、この記事の文系向けの章にまとめました。

探し方には少しコツがあります。
JAXAは技術系と事務系で応募の入り口そのものが分かれるため、文系はまず事務系の区分から見ます。
民間企業は、部署ごとに求人が並ぶ形が多くなります。
Synspectiveの公式採用ページでも、次の単位で募集が置かれていました(出典: Synspective「Welcome to Our Career Page」)。

  • Business Department
  • Corporate Administration Department
  • Corporate Strategy & Enablement Department

技術職の一覧だけを眺めて「自分向けの募集がない」と判断するのは、もったいない見方です。

語学の必要度は、応募先によって変わります。
編集部が確認した時点のSynspectiveの採用ページは職種名が英語で掲載されており、募集要項の言語や顧客の所在によって求められる水準は違ってきます。
一律に「英語必須」と身構えるより、応募先の求人票で条件を確かめるほうが早く進みます。

宇宙関係の仕事は未経験の社会人からでも転職できますか

宇宙業界が未経験でも応募できる職種はありますが、実務経験そのものが未経験だと難しくなります。

JAXAのキャリア採用の応募要件は「短大・高専・専門学校 卒業以上」の学歴と、「募集職務に応用できる分野での実務経験3年以上」です(出典: JAXA「キャリア採用」)。
求められているのは宇宙での経験ではなく、募集職務に応用できる分野での経験です。
つまり、他産業で3年以上積んだ専門があれば、宇宙側の入口に立てます。

読み替えの手順は次のとおりです。

  • 応募先の募集業務の文言を読み、要求されている技術領域を書き出す
  • 自分の経歴を、社内用語ではなく汎用の技術名に置き換える
  • 設計・解析・試験・運用・品質など、工程のどこを担当したかを明確にする
  • 高信頼性が要求される環境での経験があれば、その条件を具体的に書く

キャリア採用の募集業務には、システム設計解析、開発、運用、安全・信頼性向上活動、情報セキュリティ、契約・調達など幅広い区分が並びます。
制御、電源、材料、品質、データ解析、調達といった経験は、いずれかに対応づけられます。
募集内容は時期によって入れ替わるため、応募前に公式ページで最新の一覧を確認してください。

まとめ 宇宙関係の仕事は自分の専門の延長線上にある

宇宙関係の仕事を、宇宙機のライフサイクルで整理してきました。

つくる、打ち上げる、運用する、使う。
この4段階のどこにも職種があり、そのほとんどは地上の仕事です。
JAXAの採用区分は12種類あり、宇宙飛行士候補者募集はそのうちのひとつでした。

理系なら、機械・電気電子・情報・物理・品質といった専攻が、キャリア採用の募集業務にそのまま対応します。
文系なら、事業開発、調達、法務、広報・教育が入口になります。
入り方は新卒・転職・研究の3ルートに整理でき、転職では「募集職務に応用できる分野での実務経験」が問われました。
年収は、公表資料のある組織では自分で確かめられ、公表がない領域は未公表と受け止めるのが確実です。

宇宙が好きだという気持ちだけでは足りない、と感じていたなら、順番が逆かもしれません。
必要なのは、いま持っている専門を宇宙側の言葉に翻訳することです。
募集要項を並べて読み比べていて、編集部がいちばん腑に落ちたのもこの点でした。
翻訳できた瞬間、その経験は宇宙で使える経験になります。

ほしまる

遠くまで行ったぼくが言うのもなんだけど、宇宙への一歩目は、いつだって足元から始まるんだ。

出典

ほしまる
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