NASAが大型化したNew Glenn 9×4を打ち上げ契約に追加

NASAは2026年9月29日(米国時間)、Blue Originの大型ロケット「New Glenn 9×4」の打ち上げサービスを、打ち上げ調達の枠組み契約「NASA Launch Services(NLS)II」に加えたと発表しました。
追加は、毎年新しいロケットを受け付けるための契約上の手続きに基づくものです。
これでNASAは今後のミッションで、New Glenn 9×4を打ち上げの候補として選べるようになります。

3行で分かるポイント

  • NASAは、Blue Originの新しい大型ロケットを、将来のミッションで使えるロケットの一覧に加えました。
  • この大型型は、現在飛んでいる型よりエンジンが多く、より重い衛星や探査機を運べる設計です。
  • 今回の発表は候補への追加で、どのミッションに使うかはまだ示されていません。
目次

まず押さえたい背景

Blue Originは、米国ワシントン州ケントに拠点を置く宇宙企業です。
大型ロケットNew Glennを開発・運用しているほか、NASAの有人月着陸計画「アルテミス計画」向けに月着陸船「Blue Moon」を開発しています(出典:NASA「NASA Selects Blue Origin as Second Artemis Lunar Lander Provider」)。

現在飛んでいるNew Glennは、全長98mを超える2段式のロケットです。
1段目にBlue Origin製のBE-4エンジンを7基、2段目にBE-3Uエンジンを2基積んでいます。
1段目は着陸させて再使用する設計で、最低25回の飛行に使えるように作られています。
打ち上げ場所はフロリダ州のケープカナベラル宇宙軍基地にある第36発射施設です(出典:NASA Science「Blue Origin’s New Glenn Rocket Go for Launch!」)。

NASAは多くの科学衛星や探査機を、自前ではなく民間企業のロケットで打ち上げています。
そのための窓口が、フロリダ州のケネディ宇宙センターにあるNASAの打ち上げサービス計画(Launch Services Program)室です。

NLS IIは、この室が使う枠組み契約です。
「枠組み契約」とは、あらかじめ複数の会社と基本条件を結んでおき、実際に打ち上げが必要になった時点で個別に発注する形の契約です。
使えるロケットの一覧を先に作っておき、ミッションごとにその中から選ぶ仕組みだと考えると分かりやすいでしょう。

何が発表されたか

NASAは、NLS II契約の「オンランプ条項」に基づいて、New Glenn 9×4をBlue OriginとのNLS II契約に加えました(出典:NASA「NASA Adds Blue Origin New Glenn 9×4 to Launch Services Contract」)。
オンランプ条項は、新しい打ち上げ企業が毎年この契約に参加を申し込めるようにし、すでに契約している企業も一覧に載っていない新型ロケットを追加できるようにする規定です。

Blue OriginのNew Glennは、2020年12月にこの手続きでNLS IIに加わっていました(出典:NASA「NASA Awards Launch Services Contract to Blue Origin for New Glenn Launch Services」)。
今回は、同じ会社の大型型を新たに一覧へ加えた形です。

NASAによると、NLS II契約の発注期間は2030年6月まで、契約全体の履行期間は2032年12月までです。
この契約は、NASAの有人宇宙飛行、科学、研究・技術の各部門のミッションに使われます。
米国海洋大気庁(NOAA、気象衛星などを運用する米国の政府機関)をはじめ、ほかの政府機関の打ち上げにも使えます。

9×4という名前は、エンジンの数を表しています。
報道によると、Blue Originは2025年11月に9×4型を公表し、1段目にBE-4を9基、2段目にBE-3Uを4基積むと説明しました。
低軌道(高度数百km程度の、地球に近い軌道)へ70トンを運べる設計で、衛星を覆う先端のカバー(フェアリング)は直径8.7mに大きくなります(出典:Teslarati「Blue Origin announces Super-Heavy New Glenn 9×4 to Rival SpaceX Starship」)。

宇宙業界にとっての意味

NASAの打ち上げでは、ミッションごとに候補のロケットを比べて選ぶので、選べるロケットが多いほど発注の幅が広がります。
NLS IIには、2025年3月にSpaceXの大型宇宙船・ロケット「Starship」も同じ手続きで加わっています(出典:NASA「NASA Awards Launch Services Contract for SpaceX Starship」)。
今回のNew Glenn 9×4の追加で、70トン級の搭載能力をうたうロケットが、NASAの候補一覧に複数並ぶことになります。

打ち上げ企業にとっては、NASAの枠組み契約に載ることが、NASAの科学ミッションなどの受注競争に参加するための入り口になります。
ただし、一覧に載ったことは受注とは違います。
今回の発表は特定のミッションを示したものではなく、実際にどのミッションで使われるかは、今後の個別の発注で決まります。

今後の注目点

まず注目したいのは、New Glenn 9×4の初飛行と、その後の飛行実績です。
現行型とは別の新型なので、実際に打ち上げで性能を示せるかが、NASAを含む顧客にとっての判断材料になります。

次に、NASAが9×4を実際にどのミッションへ割り当てるかです。
重い探査機や大きな観測装置を積むミッションで、NASAがこのロケットを選ぶかどうかが焦点になります。

ほしまる

候補の一覧に載っても、どのミッションで使うかは別に決まるんだ。最初にどんな探査機を運ぶことになるのか、ぼくも楽しみに待っているよ。

出典

ほしまる
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