INCLUSIVE Holdings株式会社の子会社であるLAND INSIGHT株式会社(福島県南相馬市、代表取締役社長: 遠藤嵩大)は2026年9月4日、栃木県内18市町を対象に、中山間地域の農地維持へ向けたデータ分析と可視化ツールの提供を始めたと発表しました。
衛星データとAIで土地利用の変化をとらえ、支援が必要な集落の特定につなげる取り組みです。
3行で分かるポイント
- LAND INSIGHTが2026年9月4日、栃木県内18市町を対象とする中山間地域の農地維持支援の開始を発表
- 衛星データから過去約20年間の土地利用変化を実測し、統計データとのギャップを補正する
- 国の中山間地域等直接支払制度から外れた集落を、県が指定する「特認地域」で拾い上げる場面を想定
何が発表されたか
発表された取り組みは3つです。
過去データを旧市町村単位まで遡って集計・整理すること、県の職員が条件不利地域を確認・比較できるデータ可視化ツールを構築すること、地形データや地理情報を統計データと組み合わせて、対象地域の5年後・10年後の営農環境や耕作放棄の発生を予測することです(出典: INCLUSIVE Holdings「LAND INSIGHT、栃木県の中山間地域での農地維持支援を開始」)。
衛星データは、過去約20年間の土地利用変化を実測し、統計データとのずれを補正する用途で使います。
使用する衛星の種類や解像度、AIの手法、事業の金額については、今回確認した発表資料に記載は見つかりませんでした。
宇宙業界にとっての意味
中山間地域等直接支払制度は令和7年度(2025年度)から第6期対策に入っており、対象地域は法令で定める区分に加えて、都道府県が独自判断で支援対象を広げる「特認地域」も設定できます(出典: 農林水産省「中山間地域等直接支払制度」)。
今回の事業は、その判断材料となる現況把握に衛星データを充てるもので、宇宙利用が自治体の制度運用という現場に接続している例です。
LAND INSIGHTは2022年4月設立で、南相馬市を拠点に「圃場DX」を全国218以上の自治体へ展開し、内閣府の第7回宇宙開発利用大賞で農林水産大臣賞を受賞しています(出典: 内閣府「宇宙開発利用大賞」)。
今後の注目点
同社は、栃木県で培ったデータ整理・分析の手法を、同様の課題を抱える全国の中山間地域へ展開する方針を示しています。
一方で、事業の期間、栃木県側との関係、分析結果が特認地域の指定にどう使われるかは、今回の発表からは分かりません。
第6期対策の期間は令和11年度(2029年度)までです。
県や同社の次の公表で、対象集落の絞り込みがどこまで進むかが焦点になります。
ほしまるぼくが旅の途中で振り返った地球は、雲の切れ間から畑の模様が見えたよ。あの模様を20年ぶん重ねるのが、今回の仕事なんだ。