英国政府が新宇宙戦略を発表し防衛と産業成長に78億ポンド投じる

英国政府は2026年9月8日、防衛・安全保障と国内宇宙産業の成長を柱とする新たな「英国宇宙戦略(UK Space Strategy)」を公表しました。
2030年までに78億ポンドを投じる計画で、2021年に策定された国家宇宙戦略を正式に置き換えます(出典: GOV.UK「New space strategy will bolster UK defences against threats from space」。以下、金額は同発表の表記によります)。
英国宇宙庁、ビジネス・イノベーション・科学・貿易省、国防省の連名による公表です。

3行で分かるポイント

  • 2030年までの投資額は78億ポンドで、2021年の国家宇宙戦略を正式に置き換える
  • 配分が最も大きいのは通信分野の28億ポンド、次いで宇宙管制と情報・監視・偵察の8億8,000万ポンド
  • 加速させる重点分野は衛星通信、宇宙状況把握、軌道上サービス・組立・製造、宇宙への輸送手段の4つ
目次

何が発表されたか

配分の内訳では、宇宙領域の管制と情報・監視・偵察の能力に8億8,000万ポンド、低軌道通信計画と防衛通信「SKYNET」を含む通信分野の強化に28億ポンドが充てられます。

このほか、欧州宇宙機関(ESA)の宇宙天気監視ミッション「Vigil」に1億4,900万ポンド、国家宇宙運用センターに8,500万ポンド、欧州のロケット計画に1億4,800万ポンド、シェトランド諸島のサクサヴォード宇宙港に3,000万ポンド、軌道上でのサービスや組立・製造(ISAM)の技術に4,000万ポンド、宇宙科学と探査ミッションに1億6,300万ポンドが示されました。

宇宙業界にとっての意味

英国政府は今回の戦略で、衛星通信、宇宙状況把握、軌道上サービス・組立・製造(ISAM)、宇宙への輸送手段の4分野を加速させる領域と位置づけています。
発表で示された配分のうち最も大きいのは通信分野の28億ポンドで、次いで宇宙管制と情報・監視・偵察の8億8,000万ポンドです。

これらの投資は、186億ポンド規模で5万5,000人を超える熟練雇用を支える英国の宇宙産業を成長させるものだとしています。
ビジネス・イノベーション・科学・貿易相のジョナサン・レイノルズ氏は、宇宙が経済と軍事の競争の新たな最前線になりつつあるとしたうえで、衛星を打ち上げ、脅威を検知し、peopleが日常的に頼るサービスを守る能力を強化すると述べました。

今後の注目点

戦略では、安全保障と防衛を強化する、強靭で統合された国家衛星通信システムを設計するとしています。
規制面では、2030年末までに打ち上げられるミッションを対象に、事業者の賠償責任を免除する措置が示されました。

一方、今回確認した発表では、国家宇宙運用センターの開設時期や各ミッションの打ち上げ時期といった個別施策の完了時期の記載は見つかりませんでした。
戦略本体とあわせて、技術的な実施計画をまとめた付属文書(Technical Delivery Annex)が同時に公開されています。

ほしまる

シェトランドの射場と、欧州のロケット計画。宇宙への行き方そのものに、両方から予算が付いているんだ。

出典

ほしまる
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