Redwireが民間宇宙ステーション第2モジュールの太陽電池翼を受注

米国の宇宙関連企業Redwire(レッドワイヤー)は2026年10月5日、民間宇宙ステーションを開発するAxiom Space(アクシオム・スペース)から追加の契約を受注したと発表しました。
契約の内容は、Axiom Spaceのステーション「Axiom Station」の2番目のモジュールに付ける、巻き取り式の太陽電池パネル2枚を開発して納めることです。
Redwireは、1番目のモジュール向けの太陽電池パネルもすでに受注しています。

3行で分かるポイント

  • Redwireが、民間宇宙ステーションの2番目のモジュールに付ける太陽電池パネル2枚を受注した
  • 同じ製品は1番目のモジュール向けにもすでに受注しており、今回はその追加の契約にあたる
  • Axiom Spaceは1番目のモジュールを2028年に打ち上げ、2番目をそれから1年未満で打ち上げる計画
目次

まず押さえたい背景

Redwireは、米国フロリダ州ジャクソンビルに本社を置く宇宙・防衛技術の会社で、ニューヨーク証券取引所に上場しています。
宇宙分野では、宇宙機の機体、電力を作る装置、構造部品などを手がけています。
発表によると、北米と欧州で約1,400人が働いています。

Axiom Spaceは、低軌道(地球に近い高度を回る軌道)で使う民間の宇宙ステーションを建設している米国の会社です。
国際宇宙ステーション(ISS)への民間人の滞在ミッションや宇宙服の開発も手がけていて、2022年にはISSへの初めての民間ミッションを実施しました(出典:Axiom Space「About」)。

宇宙ステーションは、複数の部屋をつなぎ合わせて大きくしていきます。
ひとつひとつの部屋にあたる大きな部品を「モジュール」と呼び、ひとつずつ打ち上げて軌道上で結合します。

ステーションで使う電気は、太陽電池で作ります。
今回の契約の対象は、RedwireのROSA(ロールアウト・ソーラーアレイ)という太陽電池パネルです。
ROSAは、打ち上げのときには太陽電池のシートを筒状に巻いて小さくしておき、宇宙で絨毯のように広げます。
巻いた構造が元に戻ろうとする力(ひずみエネルギー)を使って広がるため、展開用のモーターや複雑な機構が要りません(出典:Redwire「ROSA」)。
ロケットに載せられる荷物の大きさは限られているので、小さく畳めて大きく広がる構造は、たくさんの電力が必要な宇宙機に合っています。
ROSAはISSですでに使われていて、Redwireはこの電力強化用のパネル(iROSA)を8枚NASAに納め、そのうち6枚が展開されて動いています。
NASAの小惑星探査機DARTにも搭載されました。

何が発表されたか

RedwireはAxiom Spaceと、Axiom Stationの2番目のモジュール向けにROSAの「翼」を2枚開発して納める契約を結びました。
翼は、宇宙機から左右に張り出す太陽電池パネル1枚のことです。
発表では、1番目のモジュール向けのROSAの翼もRedwireが製造中だと改めて説明しています。

モジュールの日程も示されました。
1番目のモジュールは、イタリアのトリノにあるThales Alenia Space(タレス・アレーニア・スペース)の工場で最終組み立ての途中です。
Thales Alenia Spaceは、通信・測位・地球観測などの宇宙システムを手がける企業で、Thales(67%)とLeonardo(33%)の合弁会社です(出典:Thales Alenia Space「Thales Alenia Space to supply 179 electronic units to fly on 27 Ariane 6 launchers」)。
組み立てが終わると、1番目のモジュールは米国のヒューストンへ運ばれて統合作業と試験を行い、その後フロリダ州のケネディ宇宙センターから打ち上げられます。
打ち上げは2028年の計画です。

2番目のモジュールも、Thales Alenia Spaceで最終組み立てに入る準備を進めています。
打ち上げは1番目から1年未満の予定で、1番目と結合できる状態になるまでは軌道上で待機できるとしています。
2つのモジュールがつながると、4人の宇宙飛行士が滞在できるステーションになり、ほかのステーションにはつながらずに単独で地球を回るとしています。

RedwireのMike Gold氏は、ISSで実績を積んだROSAはAxiom Stationに十分な電力を届けるのに適したシステムだと述べています。
Axiom SpaceのJonathan Cirtain氏は、ROSAを低軌道で事業を続けていくために欠かせない部品だと位置づけています。

宇宙業界にとっての意味

民間の宇宙ステーションは、計画を発表するだけでなく、各モジュールの部品を実際に発注していく段階に進んで初めて完成に近づきます。
今回の発注により、2番目のモジュールでも、ステーションの機器や生活に欠かせない電源の調達先が決まりました。
Axiom Spaceは1番目のモジュールの組み立てを進めつつ、2番目のモジュール向けの発注も始めていることになります。

部品の選び方にも特徴があります。
Axiom Spaceは、ISSで使われ続けている製品を、自社のステーションの電源に採用しています。
Redwireにとっては、ISSで使われてきた製品を、ISSの次の民間ステーションでも採用されることになり、同じ会社から続けて受注した実績になります。

今後の注目点

まず注目されるのは、1番目のモジュールが計画どおりトリノでの組み立てを終え、ヒューストンでの統合と試験に進めるかです。
2028年の打ち上げに向けて、その工程が日程どおりに進むかが最初の節目になります。

2番目のモジュールについては、Thales Alenia Spaceでの最終組み立ての開始と、1番目の打ち上げから1年未満という予定が守られるかを確認する必要があります。
ROSAの翼がいつモジュールに届けられるかも、今後の発表で確認したい点です。

出典

ほしまる
記事について、お気づきの点はありますか? 内容の誤りのご指摘、取材・掲載のご依頼をお待ちしています。
お問い合わせフォームへ →
SISTER SITE — ASTRONOTE 働く前に、恋をしよう。宇宙に。 ブラックホール、流れ星、フェルミのパラドックス。宇宙を好きになる読みものは、姉妹サイト ASTRONOTE に。
ASTRONOTE へ →