AnySignalは2026年9月9日、宇宙機プラットフォームメーカーのApexとの提携を発表しました。
Apexの衛星バスを導入する顧客は、AnySignalのネットワークサービス「AnyLink」と無線機をオプションとして選べるようになります。
両社は取引額を公表していません。
3行で分かるポイント
- 対象はApexのAries、Nova、Cometの3つの製品ライン。AnyLinkと無線機はオプション扱い
- AnyLinkは複数の地上局ネットワークを束ね、テレメトリ・追跡・指令(TT&C)をひとつの窓口で提供する
- 新規の取引ではなく既存の協業の拡大で、AnyLinkはすでにApexの宇宙機で軌道上運用されている
何が発表されたか
AnySignalは、Apexの宇宙機プラットフォームに自社の通信サービスを新たな選択肢として提供すると発表しました(出典: AnySignal「AnySignal Partners with Apex to Provide AnyLink Communications Services on Apex Satellite Platforms」)。
対象はApexのAries、Nova、Cometの各製品ラインです。
AnyLinkは、複数の地上局ネットワークをひとつのプラットフォームに集約し、個々のネットワークの違いを意識せずに地上との回線を確保できるようにする仕組みです。
集約先にはKSAT、Leaf Space、RBC Signalsが含まれます(出典: Payload「AnySignal Lands Spot on Apex Bus Menu」)。
Apexは2022年設立で、ロサンゼルスの量産施設で年間200機のバス生産体制へ増強を進めています。
宇宙業界にとっての意味
衛星バスの量産化が進むなかで、通信の設計と地上運用をどこまでバス側にまとめられるかが問われています。
今回の提携で、Apexの顧客はミッション設計から軌道上運用までを1社の窓口で組み立てる選択肢を持ちます。
Apex側のCEOイアン・シナモン氏は、AnySignalの無線・ネットワーク技術がプラットフォームに追加できる機能をもたらすと述べています。
AnySignalは2025年12月9日にUpfront Venturesが主導する2,400万ドルのシリーズAを発表しており、その資金使途には宇宙通信プラットフォームの量産化が挙げられていました。
今後の注目点
このオプションを実際にどの顧客が、何機で採用するかは、今回の発表では示されていません。
AnySignalはシリーズAの発表時点で、今後1年間に自社の無線機とネットワークサービスを使う12機の宇宙機が地球低軌道・静止軌道・月ミッション向けに打ち上げ予定だとしていました。
その計画が今回の提携でどう変わるかは、今後の両社の発表を待つことになります。
Apexが掲げる年産200機への増強がどの時期に実現するかも、あわせて確認したい点です。
ほしまるぼくが飛んでいたころは、地上と話せる時間を待って、電波が届く場所に来るまでじっと記録をためていたんだ。