BULLがインドSamtel Avionicsとデブリ低減で基本合意

株式会社BULLは2026年9月8日、インドのSamtel Avionics Ltd.とスペースデブリ低減ソリューションを共同で検討する覚書(MOU)を締結したと発表しました。
BULLの受動型のデブリ化防止技術と、Samtel社の衛星プラットフォームおよびデブリ除去機技術を組み合わせられるかを評価する枠組みです。

3行で分かるポイント

  • BULLとSamtel Avionicsが、スペースデブリ低減ソリューションの共同検討で覚書を締結した
  • BULLの受動型PMD技術と、Samtel社のActive Space Debris Removal Vehicle(DRV)技術の統合可能性を評価する
  • 検討フェーズのあとに、製品開発・製造・ライセンス・供給・商用化での協力を検討する
目次

何が発表されたか

BULLは栃木県宇都宮市に本社を置く2022年11月設立の企業で、代表取締役 Founder & CEOは宇藤恭士氏です。
Samtel Avionics Ltd.はインド・グルグラムに拠点を置く防衛電子機器・アビオニクス企業で、Managing Director & CEOはPuneet Kaura氏です(出典: PR TIMES 株式会社BULL「株式会社BULL、Samtel Avionics社とスペースデブリ低減ソリューションで協業に向けた基本合意を締結」。以下、今回の合意に関する記載は同リリースによります)。

両社が共同で検討するのは、技術要件、システムインターフェース、カスタマイズおよび統合方法、開発マイルストーン、将来の実装機会です。
すでに軌道上にあるデブリへ対処する案件では、打上げ後にBULLの受動型PMD装置を取り付ける形の連携を想定しています。

宇宙業界にとっての意味

BULLは2026年6月12日にH3ロケット6号機で宇宙デブリ化防止装置「HORN」の実証機2機を打ち上げ、7月3日に軌道上実証の成功を発表しています。
HORNは扇状に展開する膜面で大気抵抗を増やし、役割を終えた衛星やロケット上段部の軌道離脱を促す装置です。

軌道上ではHORN-Lで約20平方メートル、HORN-Rで約10平方メートルの膜面展開が確認されました(出典: PR TIMES 株式会社BULL「株式会社BULL、宇宙デブリ化防止装置「HORN」の軌道上実証に成功」)。
今回の覚書の検討項目にはシステムインターフェースやカスタマイズ・統合方法が並んでおり、装置単体の開発とは別に、相手側の宇宙機へ合わせ込む設計が論点になります。

今後の注目点

覚書は検討の枠組みを定めた段階で、その後に製品開発、製造、ライセンス、供給、商用化での協力を検討するとしています。
今回確認した公式リリースでは、検討フェーズの期間、対象となる衛星やミッション、契約金額の記載は見つかりませんでした。

受動型PMD装置をどの宇宙機に、どの軌道で適用するのかは、これから詰められる部分です。

ほしまる

これから打ち上がる衛星に積む装置と、もう飛んでいるデブリに後から付ける装置。同じ仕組みでどこまでいけるのか、続きが気になるよ。

出典

ほしまる
記事について、お気づきの点はありますか? 内容の誤りのご指摘、取材・掲載のご依頼をお待ちしています。
お問い合わせフォームへ →
SISTER SITE — ASTRONOTE 働く前に、恋をしよう。宇宙に。 ブラックホール、流れ星、フェルミのパラドックス。宇宙を好きになる読みものは、姉妹サイト ASTRONOTE に。
ASTRONOTE へ →