フィンランドのICEYEは2026年9月7日、損害保険ジャパンが洪水解析ソリューション「Flood Insights」を利用する契約を結んだと発表しました。
SAR(合成開口レーダー)衛星が捉えた浸水の範囲や深さのデータを、洪水発生後の被害把握と保険金支払い対応の迅速化に使います。
3行で分かるポイント
- 損害保険ジャパンがICEYEのFlood Insightsを導入する契約を締結し、ICEYEが2026年9月7日に発表した。
- Flood Insightsは50機以上のSAR衛星を使い、洪水のピークから数時間以内に浸水の深さ・範囲・継続時間を提供する。
- 今回確認したICEYEの発表では、契約金額・提供開始時期・対象となる商品や地域の記載は見つかりませんでした。
何が発表されたか
ICEYEの発表によると、損害保険ジャパンは同社のFlood Insightsを導入する契約を締結しました。
Flood Insightsは、洪水の深さ・範囲・継続時間を洪水のピークから数時間以内に提供するサービスで、発災中は6時間ごとに更新され、建物単位の浸水ハザードデータを扱います(出典: ICEYE「Flood Insights」)。
ICEYEは50機以上のSAR衛星を運用し、1日4回以上の再訪観測ができるとしています。
今回の導入は、損保ジャパンが2026年3月に発表した防災・減災の取組み「Hikeshi DNA 2030 Project」の一環と位置づけられています。
ICEYE JapanのCEOであるYasuhiro “Pete” Tsukahara氏は、洪水の範囲と深刻度に関する迅速で正確な情報を提供することで、保険金支払い対応の迅速化と効率化を後押しできるとコメントしています。
宇宙業界にとっての意味
SAR衛星は雲や夜間に左右されずに地表を観測できるため、雨雲の下で進む水害の把握に向いた観測手段です。
日本の損害保険業界では、東京海上日動もICEYEと提携し、光学衛星では捉えにくい雲や雨のある状況での被害状況の把握に活用していると公表しています(出典: 東京海上ホールディングス「人工衛星画像を活用した迅速な保険金支払いで社会のレジリエンスを高める」)。
衛星データを損害調査という既存の業務プロセスに組み込む事例が、保険分野で重なった形です。
宇宙業界を目指す人にとっては、衛星の開発・運用だけでなく、観測データを既存産業の業務に接続する側にも仕事があることを示す案件といえます。
今後の注目点
今回確認したICEYEの発表では、契約金額・提供開始時期・対象となる商品や地域の記載は見つかりませんでした。
またICEYEの日本語サイトでは、Flood Insightsの機能のうち数日前からの発生予測について「日本は対象外」と記載されています(出典: ICEYE「保険ソリューション」)。
損保ジャパンの運用でどの機能がどこまで使われ、Hikeshi DNA 2030 Projectの他の施策とどう組み合わされるかが、次に確認したい点です。
ほしまる発生前の予測と、発災後の被害解析は別々の機能なんだ。日本でどこまで使えるようになるのか、ぼくは気になっているよ。