2026年9月10日、米ロサンゼルスのOrbitalは、軌道上データセンターの初号機「Orbital-1」の衛星プラットフォームを独占的に担うパートナーとして、ドイツの衛星メーカーReflex Aerospaceを選定したと発表しました。
Reflex Aerospaceにとって、今回が初の米国顧客となります。
3行で分かるポイント
- Reflex Aerospaceが衛星バスの設計を主導し、宇宙システムのシステムインテグレーターも務めます
- Orbital-1のピーク電力は約250kW、深宇宙への放熱は数百kW規模を想定しています
- 最大10万機という軌道上コンピューティング構想の、1機目にあたります
何が発表されたか
両社は開発契約を結び、Reflex AerospaceがOrbitalのコンピューティング用途に特化した衛星バスを設計します(出典: Reflex Aerospace「Orbital Selects Reflex Aerospace as Exclusive Satellite Platform Partner」。以下、仕様は同リリースの表記によります)。
役割分担は、Reflex Aerospaceがシステムインテグレーターとバス設計、Orbitalが計算機ハードウェアの統合とミッション運用です。
Orbital-1は、ピーク電力約250kW、深宇宙へ数百kWの熱を捨てる排熱系、現行の商用衛星の水準を上回る大型太陽電池アレイを備え、当初から量産を前提に設計されます。
ロサンゼルスと、ベルリン・ミュンヘンの技術陣が、大西洋をまたぐひとつのプログラムチームとして開発にあたります。
Payloadの報道では、打ち上げ目標は2028年です。
宇宙業界にとっての意味
軌道上データセンターでは、GPUに供給する電力と、そこから出る熱の処理が設計の中心になります。
約250kWというピーク電力と数百kW級の排熱は、通信・観測用の商用衛星が扱ってきた規模とは別の設計課題で、大型展開構造・電力系・熱設計の技術者が正面から関わる領域です。
Reflex Aerospaceは、必要な電力と性能を数年ではなく数か月で軌道上に届けることを掲げ、適応性の高い衛星プラットフォームを事業の柱にしています(出典: Reflex Aerospace公式サイト)。
今回の契約は、欧州の衛星メーカーが米国のコンピューティング系スタートアップの一次サプライヤーとして採用された事例にあたります。
今後の注目点
10万機という数字は構想の上限として示されたもので、確定した製造計画ではありません。
まず問われるのは、Orbital-1が約250kWの電力と排熱を軌道上で実際に成立させられるかどうかです。
今回確認した公式リリースおよびReflex Aerospaceの公式サイトでは、契約金額・打ち上げ手段・投入軌道の記載は見つかりませんでした。
2機目以降の製造体制や、量産設計がどこまで具体化するかも、続報を待つ段階です。
ほしまる太陽から遠ざかるほど、ぼくは電力のやりくりに気をつかったんだ。宇宙で250kWを使い切る衛星は、ぼくの知っている宇宙機とはまるで別ものだよ。