JAXA宇宙戦略基金は2026年9月9日、宇宙戦略基金事業補助金取扱要領の一部改正を公表しました。
改正されたのは、委託について定めた第12条第1項と、成果の外部発表について定めた第22条の2か所です。
2026年4月24日以降に公募された技術開発テーマに適用されます。
3行で分かるポイント
- 第三者への委託費・共同実施費の上限の基準が「補助金交付決定額の50%」から「補助対象経費の総額の50%」に変わりました
- 成果の外部発表は、機構の承認を得る形から、研究開発成果公表届出書(様式10)を提出して公表する形になりました
- 機構が公表内容を修正させ、公表を延期または差し止めることができる規定は残っています
何が発表されたか
改正前の第12条第1項は、委託費・共同実施費の累計金額が補助金交付決定額の50%を超える額を第三者に委託してはならないと定めていました(但し、機構が事前に承諾した場合を除く)。
改正後は、この基準が補助対象経費の総額の50%になります。
第22条は、成果を論文や学会等で公表しようとする場合の手続きを定めた条文で、改正前は公表の承認を得なければならないとされていました。
改正後は、発表先への原稿提出締切日の1週間前までに研究開発成果公表届出書(様式10)を提出した場合に限り公表できる、という表現になりました(出典: JAXA宇宙戦略基金「宇宙戦略基金事業補助金取扱要領の一部改正について」)。
宇宙業界にとっての意味
第12条第1項の改正により、外部への委託や共同実施に充てられる金額の上限を算定する基礎が、交付決定額から補助対象経費の総額に変わります。
複数社で体制を組む事業では、外部への委託金額を見積もるときの前提が変わる部分です。
第22条の改正は、論文発表や学会発表の進め方に関わります。
承認を受ける形ではなく期限までに届出書を提出する形になりますが、届け出た成果について機構が公表内容の修正や延期、差し止めを求めることができる点は変わっていません。
今後の注目点
補助金取扱要領は、案件ごとに適用される版が分かれています。
JAXA宇宙戦略基金の補助事業 交付申請書類のページには、適用条件の異なる3種類の要領が掲載されており、最新の版は2026年4月24日以降に公募された技術開発テーマの場合、および2026年7月21日以降に変更交付決定する場合に適用されます。
自社の案件がいつ公募された技術開発テーマかによって、参照すべき版が変わります。
今回確認した公表資料では、この改正に至った理由の記載は見つかりませんでした。