- 星座って、結局ぜんぶでいくつあるんだっけ?
- 一覧を眺めても、今夜どれが見えるのか分からない…
- 誕生日の星座って、夜空でも探せるものなの?
答えを先に書きます。
星座は全部で88。
名称も略符も境界も、国際天文学連合(IAU)がすべて決めています。
そして一覧を眺めるだけでは、今夜の空でひとつも見つかりません。
必要なのは「その星座がいつ南の空へ高く昇るか」という時期の情報と、目印になる明るい星です。
この記事は、宇宙の科学と宇宙産業の情報を一次情報と整合させて発信するASTROWORKS編集部がまとめています。
この記事で分かることは、以下の通りです。
- 88星座の全リスト(日本語名・略符・学名・見やすい時期)
- 春夏秋冬それぞれの目印の星から星座をたどる手順
- 黄道十二星座と黄道十二宮がずれている理由
- 市街地で星座の形が欠けて見える理由と、その対処
読み終えるころには、次に晴れた夜どの方角を見ればいいかが決まっています。
ほしまるぼくは40年かけて太陽系を巡ってきたけれど、星座は地球から見た「空の住所」なんだ。住所さえ分かれば、迷子にならずに星を探せるようになるよ。


星座は国際天文学連合が定めた88星座で全天を区切る領域
星座は星をつないだ形そのものではなく、天球を隙間なく分けた領域として定義されています。
星座の名称と略符は1922年の第1回IAU総会で決まった
現在の88星座は、名前も3文字の略符も国際的な取り決めで固定されています。
国立天文台の解説によると、1919年に国際天文学連合(IAU)が発足し、最初の任務のひとつとして、乱立していた星座の整理と境界の合理化が掲げられました。
そして1922年の第1回IAU総会で、整理された88の星座名と略号について合意がなされています(出典: 国立天文台「88星座と国際天文学連合」)。
それ以前はどうだったか。
同じ解説には、星座の決め方には20世紀初めまで世界共通のルールがなく、その数も名前も空での範囲も、時代や人によりまちまちだったと書かれています。
略符(アルファベット3文字)は飾りではなく、実務で使われる記号です。
国立天文台の一覧では、個々の星の名前をギリシャ文字にラテン名の属格(所有格)または略符を付けて表す例として、オリオン座α星が「α Orionis」「α Ori」と表記されると説明されています(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
つまり Ori と書けば、世界中のどの天文台でも「オリオン座」だと通じます。
この記事の一覧表に略符の列を入れているのは、そのためです。
日本語名にも出どころがあります。
88星座の和訳名は学術研究会議(現在の日本学術会議)が考案・決定し、1944年出版の『天文術語集』に記載されました。
それが改訂され、ひらがなまたはカタカナで表記することとされています(出典: 同)。
境界線は1928年に採択され1930年の文献で確定した
名前が決まっただけでは、星座はまだ完成しません。
どこからどこまでがその星座なのか、境界が要ります。
国立天文台によれば、1925年の第2回総会で星座の境界線が提案され、それが1928年の第3回総会で採択されました。
成果は『Délimitation scientifique des constellations(星座の科学的な境界)』(デルポルテ著、仏語)にまとめられ、1930年に出版されています(出典: 国立天文台「88星座と国際天文学連合」)。
名称の合意が1922年、境界の採択が1928年、文献としての確定が1930年。
6年から8年の開きがあり、それぞれ別の出来事です。
なぜ境界の整理にそこまで手間がかかったのか。
背景には、大航海時代以降に星座が乱立した時期があります。
国立天文台は、新しい星座が48星座の隙間を縫うように加えられた結果について、このように書いています。
この星座の新設ブームによって、星座の境界線は曲がりくねり、既存の星座と同じ位置に新たな星座が重ねられ、夜空の星はいくつもの星座に属するという大混乱がもたらされ、それが19世紀初め頃まで続きました。
(出典: 国立天文台「88星座と国際天文学連合」)
決め手になったのは望遠鏡でした。
18世紀以降に望遠鏡による観測が盛んになると、より暗い恒星や変光星の名称を決めたり位置を表したりするために、標準的な星座名と境界を明確にする必要が生じたと同解説は述べています。
星座の整理は文化的な趣味ではなく、観測データを扱うための実務上の要請だったわけです。
厳密には異なりますが、ソフトウェア開発で衝突していた名前空間を整理する作業に近い性質の仕事でした。
星座は星の並びではなく重なりのない天球の区画
ここが一覧を読むときの前提になります。
国立天文台は現在の星座について、星どうしを結んでできる形、つまり北斗七星や夏の大三角などのアステリズム(asterism)とは区別されると明記しています(出典: 国立天文台「88星座と国際天文学連合」)。
アステリズムとは、星をつないでできる見かけの形のことです。
つまり北斗七星は、それ自体が星座ではありません。
国立天文台暦計算室の解説でも、北斗七星はおおぐま座の一部として扱われています(出典: 国立天文台暦計算室「暦Wiki/季節/季節の星座」)。
境界の引き方も決まっています。
星座の境界は赤経・赤緯の線に沿う直線で区切られ、恒星は必ずどれかひとつの星座に重複なく属する、と国立天文台は説明しています。
赤経・赤緯は、地球の経度・緯度を天球に投影した座標だと考えると分かりやすいです。
厳密には異なりますが、イメージとしては、空に緯線と経線を引き、その線に沿って区画を切り分けた地図に近いものです。
この「重複なく」が効いています。
どの恒星も所属先がひとつに定まるため、新しく見つかった天体にも迷わず星座名を割り当てられます。
国立天文台も、境界の確定によって新たに発見された天体にも不便なく星座に基づく命名ができるようになった、と述べています。
区画である以上、広さはばらばらです。
国立天文台の一覧に載る面積(平方度)を見ると、最大はうみへび座の1302.844平方度、最小はみなみじゅうじ座の68.447平方度で、19倍以上の開きがあります(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。


全天88星座を季節別に整理した一覧表
振り分けの基準は、国立天文台が各星座に示す「位置の目安」です。
東京で20時に、その星座のおよその中心が子午線を通過する時期を指します。
春の星座は北斗七星から春の大曲線でたどる
春の空の起点は北斗七星です。
国立天文台は2026年5月の星空案内で、このように案内しています。
頭の真上より少し北側に見える北斗七星から、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカへとたどる春の大曲線を目印に、春の星座を探してみましょう。
(出典: 国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2026年5月)」)
手順にすると、次の3ステップになります。
- 北の空高くで、ひしゃくの形をした北斗七星を見つける
- ひしゃくの柄のカーブをそのまま南へ伸ばし、アークトゥルスに届く
- 同じ曲線をさらにたどり、スピカへ至る
アークトゥルスはうしかい座のα星でマイナス0.0等、スピカはおとめ座のα星で1.0等です(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 おもな恒星」)。
どちらも明るいので、街中でも比較的たどりやすい2つです。
この曲線に乗ると、うしかい座とおとめ座という大きな星座が同時に手に入ります。


春に見やすい22星座は、以下の通りです。
| 星座名 | 略符 | 学名 | 位置の目安 |
|---|---|---|---|
| いっかくじゅう座(一角獣) | Mon | Monoceros | 3月上旬 |
| ふたご座(双子)* | Gem | Gemini | 3月上旬 |
| こいぬ座(小犬) | CMi | Canis Minor | 3月中旬 |
| とびうお座(飛魚) | Vol | Volans | 3月中旬 |
| とも座(船尾) | Pup | Puppis | 3月中旬 |
| やまねこ座(山猫) | Lyn | Lynx | 3月中旬 |
| かに座(蟹)* | Cnc | Cancer | 3月下旬 |
| らしんばん座(羅針盤) | Pyx | Pyxis | 3月下旬 |
| りゅうこつ座(竜骨) | Car | Carina | 3月下旬 |
| ほ座(帆) | Vel | Vela | 4月上旬 |
| ろくぶんぎ座(六分儀) | Sex | Sextans | 4月中旬 |
| ポンプ座 | Ant | Antlia | 4月中旬 |
| うみへび座(海蛇) | Hya | Hydra | 4月下旬 |
| こじし座(小獅子) | LMi | Leo Minor | 4月下旬 |
| しし座(獅子)* | Leo | Leo | 4月下旬 |
| カメレオン座 | Cha | Chamaeleon | 4月下旬 |
| おおぐま座(大熊) | UMa | Ursa Major | 5月上旬 |
| コップ座 | Crt | Crater | 5月上旬 |
| かみのけ座(髪) | Com | Coma Berenices | 5月下旬 |
| からす座(烏) | Crv | Corvus | 5月下旬 |
| はえ座(蠅) | Mus | Musca | 5月下旬 |
| みなみじゅうじ座(南十字) | Cru | Crux | 5月下旬 |
※位置の目安は、東京で20時(中央標準時)に各星座のおよその中心が子午線を通過する時期です(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
*印は黄道星座を示します(以下の表も同じ)。
らしんばん座・ろくぶんぎ座・ポンプ座のように、道具の名前が並んでいる点にも目を留めておいてください。
この顔ぶれには理由があり、記事の後半でその成り立ちを押さえます。
夏の星座はベガとアルタイル、デネブが目印になる
夏の起点は、3つの明るい星です。
国立天文台暦計算室の恒星データによると、こと座α星のベガが0.0等、わし座α星のアルタイルが0.8等、はくちょう座α星のデネブが1.2等で、いずれも夏の大三角をなすと記載されています(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 おもな恒星」)。
同じ資料には、ベガが七夕伝説の織姫星、アルタイルが彦星(牽牛星)とも呼ばれると書かれています。
七夕の2つの星を空で結び、そこにデネブを足せば三角形ができる。
この関係を覚えておくと、夏の空では迷いません。
三角形の内側から南へ目を移すと、天の川が流れています。
国立天文台は流星群の説明の中で、「天の川が見えるような暗い空」と「街明かりの中」を明確に区別しています(出典: 国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2026年5月)」)。
天の川が見えるかどうかは、その場所の空の暗さを測る目安になります。


夏に見やすい21星座は、次の通りです。
| 星座名 | 略符 | 学名 | 位置の目安 |
|---|---|---|---|
| おとめ座(乙女)* | Vir | Virgo | 6月上旬 |
| りょうけん座(猟犬) | CVn | Canes Venatici | 6月上旬 |
| ケンタウルス座 | Cen | Centaurus | 6月上旬 |
| うしかい座(牛飼) | Boo | Bootes | 6月下旬 |
| コンパス座 | Cir | Circinus | 6月下旬 |
| おおかみ座(狼) | Lup | Lupus | 7月上旬 |
| てんびん座(天秤)* | Lib | Libra | 7月上旬 |
| かんむり座(冠) | CrB | Corona Borealis | 7月中旬 |
| こぐま座(小熊) | UMi | Ursa Minor | 7月中旬 |
| じょうぎ座(定規) | Nor | Norma | 7月中旬 |
| ふうちょう座(風鳥) | Aps | Apus | 7月中旬 |
| へび座(蛇) | Ser | Serpens | 7月中旬(頭部)/8月中旬(尾部) |
| みなみのさんかく座(南三角) | TrA | Triangulum Australe | 7月中旬 |
| さそり座(蠍)* | Sco | Scorpius | 7月下旬 |
| さいだん座(祭壇) | Ara | Ara | 8月上旬 |
| へびつかい座(蛇遣) | Oph | Ophiuchus | 8月上旬 |
| りゅう座(竜) | Dra | Draco | 8月上旬 |
| ヘルクレス座 | Her | Hercules | 8月上旬 |
| こと座(琴) | Lyr | Lyra | 8月下旬 |
| たて座(楯) | Sct | Scutum | 8月下旬 |
| みなみのかんむり座(南冠) | CrA | Corona Australis | 8月下旬 |
※位置の目安は、東京で20時(中央標準時)に各星座のおよその中心が子午線を通過する時期です(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
※へび座は88星座で唯一、頭部と尾部に分かれて掲載されています。頭部は7月中旬、尾部は8月中旬が目安です(出典: 同)。
さそり座のα星アンタレスは、明るいときで0.9等と記録されています(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 おもな恒星」)。
南の低い空で目立つ星なので、夏の大三角から南へ視線を下ろす目標にすると探しやすくなります。
秋の星座は四辺形を起点に神話の登場人物が並ぶ
秋は、明るい星が少ない季節です。
国立天文台暦計算室が秋の星座としてまず挙げるのも、「秋の四辺形」とペガスス座でした(出典: 国立天文台暦計算室「暦Wiki/季節/季節の星座」)。
だから秋は、ひとつの星ではなく四角形という「面」で探すほうが確実です。
南の空にぽつんと浮かぶ大きな四角形を先に見つけ、そこから周囲へ視線を広げます。
ペガスス座の位置の目安は10月下旬、アンドロメダ座は11月下旬で、四辺形の周辺から順に見ごろが移っていきます(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
秋の空には、アンドロメダ座・ケフェウス座・ペガスス座・くじら座といった名前が続きます。
これらはいずれも、プトレマイオスの48星座に含まれる古い星座です(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 星座の名前」)。
なかでもアンドロメダ座・ケフェウス座・ペガスス座は、ギリシャ神話のアンドロメダの物語に連なる名前で、四辺形のまわりに固まって並んでいます。
同じ物語に登場するカシオペヤ座とペルセウス座は季節表では冬に入りますが、位置としては秋の一角から続く並びです。
名前のつながりで覚えると、隣の星座へ視線を移しやすくなります。


秋に見やすい23星座は、以下の通りです。
| 星座名 | 略符 | 学名 | 位置の目安 |
|---|---|---|---|
| いて座(射手)* | Sgr | Sagittarius | 9月上旬 |
| くじゃく座(孔雀) | Pav | Pavo | 9月上旬 |
| ぼうえんきょう座(望遠鏡) | Tel | Telescopium | 9月上旬 |
| わし座(鷲) | Aql | Aquila | 9月上旬 |
| こぎつね座(小狐) | Vul | Vulpecula | 9月中旬 |
| や座(矢) | Sge | Sagitta | 9月中旬 |
| いるか座(海豚) | Del | Delphinus | 9月下旬 |
| けんびきょう座(顕微鏡) | Mic | Microscopium | 9月下旬 |
| はくちょう座(白鳥) | Cyg | Cygnus | 9月下旬 |
| やぎ座(山羊)* | Cap | Capricornus | 9月下旬 |
| こうま座(小馬) | Equ | Equuleus | 10月上旬 |
| はちぶんぎ座(八分儀) | Oct | Octans | 10月上旬 |
| インディアン座 | Ind | Indus | 10月上旬 |
| みなみのうお座(南魚) | PsA | Piscis Austrinus | 10月中旬 |
| ケフェウス座 | Cep | Cepheus | 10月中旬 |
| つる座(鶴) | Gru | Grus | 10月下旬 |
| とかげ座(蜥蜴) | Lac | Lacerta | 10月下旬 |
| みずがめ座(水瓶)* | Aqr | Aquarius | 10月下旬 |
| ペガスス座 | Peg | Pegasus | 10月下旬 |
| きょしちょう座(巨嘴鳥) | Tuc | Tucana | 11月中旬 |
| うお座(魚)* | Psc | Pisces | 11月下旬 |
| ちょうこくしつ座(彫刻室) | Scl | Sculptor | 11月下旬 |
| アンドロメダ座 | And | Andromeda | 11月下旬 |
※位置の目安は、東京で20時(中央標準時)に各星座のおよその中心が子午線を通過する時期です(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
この季節の数少ない明るい目標が、みなみのうお座のフォーマルハウト(1.2等)です(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 おもな恒星」)。
南の低い空にぽつんと1個だけ明るい星が見えたら、それがフォーマルハウトである可能性が高くなります。
冬の星座はオリオン座の三つ星から周りへ広げる
初めて星座を探すなら、冬がいちばん成功しやすい季節です。
理由は、明るい星の密度にあります。
国立天文台は2026年1月の星空案内で、宵の空が「明るい星でにぎやかです」と伝えています。
冬のダイヤモンドとして挙げられているのは6つの星です。
おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲル。
ここにオリオン座のベテルギウスが加わります(出典: 国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2026年1月)」)。
明るさを国立天文台暦計算室のデータで並べると、次のようになります。
| 星の名前 | 星座 | 等級 |
|---|---|---|
| シリウス | おおいぬ座のα星 | マイナス1.5 |
| ベテルギウス | オリオン座のα星 | 0.0(極大) |
| カペラ | ぎょしゃ座のα星 | 0.1 |
| リゲル | オリオン座のβ星 | 0.1 |
| プロキオン | こいぬ座のα星 | 0.4 |
| アルデバラン | おうし座のα星 | 0.9 |
| ポルックス | ふたご座のβ星 | 1.1 |
(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 おもな恒星」)
起点は三つ星です。
オリオン座の中央に並ぶ3つの星は、国立天文台暦計算室でも「みつぼし(オリオン座)」として日本の星の呼び名の中に記録されています(出典: 国立天文台暦計算室「暦Wiki/季節/季節の星座」)。
三つ星を見つけたら、その並びを挟んでベテルギウスとリゲルが控えています。
そこから外側へ視線を広げれば、冬のダイヤモンドの残りの星に届きます。


冬に見やすい22星座は、以下の通りです。
| 星座名 | 略符 | 学名 | 位置の目安 |
|---|---|---|---|
| ほうおう座(鳳凰) | Phe | Phoenix | 12月上旬 |
| カシオペヤ座 | Cas | Cassiopeia | 12月上旬 |
| くじら座(鯨) | Cet | Cetus | 12月中旬 |
| さんかく座(三角) | Tri | Triangulum | 12月中旬 |
| おひつじ座(牡羊)* | Ari | Aries | 12月下旬 |
| みずへび座(水蛇) | Hyi | Hydrus | 12月下旬 |
| ろ座(炉) | For | Fornax | 12月下旬 |
| とけい座(時計) | Hor | Horologium | 1月上旬 |
| ペルセウス座 | Per | Perseus | 1月上旬 |
| エリダヌス座 | Eri | Eridanus | 1月中旬 |
| レチクル座 | Ret | Reticulum | 1月中旬 |
| おうし座(牡牛)* | Tau | Taurus | 1月下旬 |
| かじき座(旗魚) | Dor | Dorado | 1月下旬 |
| ちょうこくぐ座(彫刻具) | Cae | Caelum | 1月下旬 |
| うさぎ座(兎) | Lep | Lepus | 2月上旬 |
| がか座(画架) | Pic | Pictor | 2月上旬 |
| はと座(鳩) | Col | Columba | 2月上旬 |
| オリオン座 | Ori | Orion | 2月上旬 |
| テーブルさん座(テーブル山) | Men | Mensa | 2月上旬 |
| きりん座(麒麟) | Cam | Camelopardalis | 2月中旬 |
| ぎょしゃ座(馭者) | Aur | Auriga | 2月中旬 |
| おおいぬ座(大犬) | CMa | Canis Major | 2月下旬 |
※位置の目安は、東京で20時(中央標準時)に各星座のおよその中心が子午線を通過する時期です(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
三つ星さえ押さえれば、周囲の星座へは芋づる式にたどれます。
星座探しの最初の一歩としては、この季節から始めるのが近道です。



冬は明るい星がぎゅっと集まる季節なんだ。最初のひとつを見つけるなら、ぼくは三つ星をおすすめするよ。
一年中見える北天の星座と日本からは見えにくい南天の星座
季節表には88星座すべてを振り分けましたが、その枠に収まりきらない星座が両端にあります。
まず北天です。
国立天文台暦計算室は、周極星について「常に地平線より上にあり、1日に2回、子午線を横切ります」と説明しています(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 おもな恒星」)。
地平線の下に沈まない星は、季節に関係なく見えます。
同室が季節の星座として「北」の欄に挙げているのは、こぐま座(北極星)、おおぐま座(北斗七星)、カシオペヤ座です(出典: 国立天文台暦計算室「暦Wiki/季節/季節の星座」)。
上の表ではこぐま座が夏、おおぐま座が春、カシオペヤ座が冬に入っていますが、実際には一年を通じて北の空にあります。
反対側が南天です。
国立天文台は星座一覧のページで、位置の目安について「その星座が見やすい季節のおよその目安となりますが、南天の星座の一部には地平線上に昇らないものがあります」と注記しています(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
見え方が緯度で変わることは、具体的な数字で確認できます。
りゅうこつ座のカノープス(マイナス0.7等)は、シリウス(マイナス1.5等)に次いで全天で2番目に明るい恒星です。
それでも国立天文台は、カノープスを見られる北限は平地では計算上北緯約37.9度、おおむね福島県北端付近だと説明しています(出典: 国立天文台「カノープスを見つけよう(2026年2月)」)。
同じページが示す2月の南中高度は、地点によって大きく違います。
| 場所 | 南中高度 |
|---|---|
| 那覇 | 11.2度 |
| 福岡 | 3.9度 |
| 京都 | 2.5度 |
| 東京 | 1.9度 |
| 福島 | 0.1度 |
(南中高度は大気の影響を考慮した値。出典: 国立天文台「カノープスを見つけよう(2026年2月)」)
みなみじゅうじ座も同じです。
国立天文台によると、北緯24度にある石垣島では12月から6月にかけての約半年間、南十字星を見られます(出典: 国立天文台「石垣島天文台「南十字星モニター」の楽しみ方6選」)。
同じ記事は、国内の南の地域で見える明るい恒星として、りゅうこつ座のカノープス、エリダヌス座のアケルナル、ケンタウルス座のα星やβ星を挙げています。
等級で見ると、カノープスはマイナス0.7等、アケルナルは0.5等です(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 おもな恒星」)。
見える星座の数は観察地の緯度や周囲の地形で変わるため、全国共通の個数としては示せません。
一覧を使うときは、自分の住む緯度を前提に読むことが大切です。
黄道十二星座は黄道十二宮と日付がずれている
天文学でいう黄道十二星座と、占星術で使う十二宮は、由来も区切り方も別のものです。
黄道十二星座は太陽の通り道に並ぶ12の星座
黄道とは、地球から見た太陽の通り道のことです。
国立天文台暦計算室は黄道十二宮を、太陽・月・惑星の通り道である黄道を30度ずつ12個に等分割した領域と定義しています(出典: 国立天文台暦計算室「暦Wiki/黄道十二宮」)。
30度ずつ、きっちり12個に切った区画。
その黄道の近くに位置する星座を、黄道星座と呼びます。
国立天文台の一覧は黄道星座に*印を付け、古くから知られている黄道12宮と関係がある星座だと説明しています(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
*印が付くのは、おひつじ座・おうし座・ふたご座・かに座・しし座・おとめ座・てんびん座・さそり座・いて座・やぎ座・みずがめ座・うお座の12星座。
大事なのは、この12が88のうちの一部でしかないという点です。
残りの76星座は、黄道十二星座には数えられていません。
ただし黄道からまったく外れているとは限らず、へびつかい座のように黄道星座のすぐ隣に位置するものもあります。
12星座それぞれが見やすくなる時期は、次の通りです。
| 星座名 | 略符 | 位置の目安 |
|---|---|---|
| おひつじ座 | Ari | 12月下旬 |
| おうし座 | Tau | 1月下旬 |
| ふたご座 | Gem | 3月上旬 |
| かに座 | Cnc | 3月下旬 |
| しし座 | Leo | 4月下旬 |
| おとめ座 | Vir | 6月上旬 |
| てんびん座 | Lib | 7月上旬 |
| さそり座 | Sco | 7月下旬 |
| いて座 | Sgr | 9月上旬 |
| やぎ座 | Cap | 9月下旬 |
| みずがめ座 | Aqr | 10月下旬 |
| うお座 | Psc | 11月下旬 |
※位置の目安は、東京で20時(中央標準時)に各星座のおよその中心が子午線を通過する時期です(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
自分の星座の欄を見て、誕生日の季節と見比べてみてください。
たいていの場合、まったく違う季節が並んでいるはずです。
黄道十二宮は星座の領域と一致しない
十二宮と星座は、区切り方からして違います。
国立天文台暦計算室は十二宮について、十二星座とも対応しているが星座の大きさにはよらず等間隔に分けており、おもに占星術の分野で使われると説明しています(出典: 国立天文台暦計算室「暦Wiki/黄道十二宮」)。
十二宮は黄道を30度ずつきっちり12等分した区画で、白羊宮が黄道座標0度から30度、金牛宮が30度から60度と続きます。
一方、実際の星座は広さがそろっていません。
国立天文台の面積データで黄道十二星座を比べると、最も広いおとめ座が1294.428平方度、最も狭いやぎ座が413.947平方度で、3倍以上の差があります(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
30度ずつの等分と、この不揃いな区画が一致しないのは当然です。
もうひとつの理由が歳差です。
歳差は、天球上の基準点である春分点が少しずつ移動していく現象を指します。
国立天文台暦計算室は、歳差により春分点が1年で約50秒角ずつ前進するため、星座の黄道座標は72年ほどで1度、2150年ほどで30度ずれることになる、と説明しています(出典: 国立天文台暦計算室「暦Wiki/黄道十二宮」)。
30度は十二宮ひとつ分です。
つまり2150年ほどで、宮ひとつ分まるごとずれる計算になります。
実際のずれも、同じ解説に例が出ています。
春分点は現在ではうお座のあたりにあるものの、黄道十二宮が成立したころはおひつじ座にあり、そのため今でも春分点にはおひつじ座の星座記号が用いられている、とあります。
記号だけが当時のまま残り、実際の空はうお座まで移動している状態です。
誕生日の星座はその時期の夜空では見つけられない
自分の星座が誕生日のころに見えない理由は、位置関係で説明できます。
誕生日の時期、太陽はその星座に割り当てられた十二宮の方向にあります。
歳差の分だけずれているので実際の星座と正確に重なるわけではありませんが、太陽はその星座の近くを通ります。
太陽が出ている間、その星座も空にありますが、昼の明るさに埋もれて見えません。
太陽が沈むころには、その星座も一緒に地平線へ近づいています。
国立天文台暦計算室は、多くの星座について「時間を選べば、太陽に近づく1−2か月を除いてほぼ1年中見ることができます」と説明しています(出典: 国立天文台暦計算室「暦Wiki/季節/季節の星座」)。
裏を返せば、太陽に近づく1〜2か月だけは見られません。
その期間が、ちょうど誕生日の前後にあたります。
具体例で確かめます。
しし座が20時に南中する時期は4月下旬、おうし座は1月下旬、みずがめ座は10月下旬です(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
いずれも、その星座が黄道十二宮で割り当てられている時期とは重なりません。
では、いつなら見られるか。
上の一覧表にある「位置の目安」が、その答えです。
自分の星座の欄にある時期の20時ごろ、南の空を見上げれば、東京付近ではその星座がほぼ真南の高いところに来ています。
誕生日の星座は、自分の季節ではなく別の季節の星座として空に出てくる。
その意外さを確かめられるのが、一覧表を眺める楽しさのひとつです。
黄道十二宮と現在の星座境界は別の枠組みで定められた(へびつかい座の場合)
黄道十二星座の一覧に、へびつかい座は入っていません。
国立天文台暦計算室の星座一覧を見ると、へびつかい座はプトレマイオスの48星座には含まれる一方、黄道十二宮に対応する星座としては印が付いていません(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 星座の名前」)。
国立天文台の星座名一覧でも、黄道星座を示す*印はへびつかい座に付いていません(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
理由は、2つの枠組みが別々に作られたことにあります。
十二宮は黄道を30度ずつ12等分した区画で、12という数が先に決まっています。
一方、現在の星座の境界は1928年のIAU総会で採択され、1930年の文献で確定したもので、黄道をどう分けるかとは無関係に引かれました(出典: 国立天文台「88星座と国際天文学連合」)。
区切りの基準が違うのですから、境界が一致しないほうがむしろ自然です。
位置の上では、へびつかい座は黄道星座のすぐ隣にあります。
位置の目安は8月上旬で、さそり座(7月下旬)といて座(9月上旬)のちょうど間に入ります(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
黄道十二星座の並びに近い場所にありながら、12の枠には数えられていない星座です。


見つけやすさは明るい星の有無と見ごろの時期、空の条件に大きく左右される
どの星座から探すかは、星の明るさ、見ごろの時期、空の条件から見当をつけられます。
明るい恒星を含む星座から探すと形をたどりやすい
等級は、数字が小さいほど明るいという決まりになっています。
国立天文台は、りゅうこつ座のカノープス(マイナス0.7等)について、おおいぬ座のシリウス(マイナス1.5等)に次いで全天で2番目に明るい恒星だと説明しています(出典: 国立天文台「カノープスを見つけよう(2026年2月)」)。
マイナスの値のほうが明るい、という関係がここから読み取れます。
明るい星を含む星座が入口として有利な理由は単純です。
街の明かりがあっても空へ溶けずに残るため、形の骨格をたどる起点になります。
逆に、暗い星ばかりの星座を最初に選ぶと、線を引く手がかりが空に見当たりません。
国立天文台暦計算室が挙げるおもな恒星のうち、0等前後より明るいものを星座とあわせて並べると、次のようになります。
| 星の名前 | 星座 | 等級 |
|---|---|---|
| シリウス | おおいぬ座のα星 | マイナス1.5 |
| カノープス | りゅうこつ座のα星 | マイナス0.7 |
| リギル・ケンタウルス | ケンタウルス座のα星 | マイナス0.3 |
| アークトゥルス | うしかい座のα星 | マイナス0.0 |
| ベガ | こと座のα星 | 0.0 |
| ベテルギウス | オリオン座のα星 | 0.0(極大) |
| カペラ | ぎょしゃ座のα星 | 0.1 |
| リゲル | オリオン座のβ星 | 0.1 |
(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 おもな恒星」)
この表に出てくる星座から始めれば、最初の1回で形をたどれる可能性が高くなります。
ただしカノープスとリギル・ケンタウルスは南に低く、観察地の緯度によっては地平線上に出てきません。
観察する日時と方角を先に決めてから空を見る
一覧表の「位置の目安」には、前提条件が付いています。
国立天文台の説明でこの値が指すのは、東京において20時(中央標準時)に各星座のおよその中心が子午線を通過する時期(出典: 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」)。
つまり東京・20時を前提にした数字なので、場所や時刻が変われば見え方も変わることを念頭に置いてください。
子午線を通過するとは何か。
国立天文台暦計算室は、天体が子午線を横切ることを子午線通過と呼び、日本付近では太陽や月・惑星が概ね南の空を通るため南中と呼ばれる、と説明しています(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 おもな恒星」)。
南中の瞬間、その天体はその日いちばん高い位置に来ます。
観察の手順は、次の3つを先に決めるだけです。
- 見たい星座の「位置の目安」に近い日を選ぶ
- その日の20時前後を目安に、観察する時刻を決める
- 東京付近なら南の空、緯度が違う地域では高さが変わることを見込む
高さは緯度で変わります。
国立天文台が示すカノープスの2月の南中高度は、那覇で11.2度、東京で1.9度、福島で0.1度でした(出典: 国立天文台「カノープスを見つけよう(2026年2月)」)。
同じ星でも、北へ行くほど低くなります。
南の空が建物や山でふさがれている場所では、高度の低い星座は最初から候補から外すほうが早いです。
日時と場所を指定して星空を確かめたいときは、国立天文台暦計算室の今日のほしぞらが使えます。
場所と日時を入力すると、その条件での星空が表示されます。
市街地では暗い星が見えず星座の形が欠ける
一覧どおりに探しても見つからない。
その原因の多くは、空の明るさにあります。
国立天文台の解説によると、道路灯は設置の仕方が不適切だと上向きに光が漏れ、夜空を明るく照らして星を見えにくくします(出典: 国立天文台「みんなで取り戻す、美しい夜空」)。
人間活動が星空に与えるこの影響を、光害(ひかりがい)と呼びます。
影響の大きさは、国立天文台の流星群の説明からも読み取れます。
同台は流星数の目安を「天の川が見えるような暗い空」で観察した場合の値とし、街明かりの中で観察した場合には数分の1になることがあるとしています(出典: 国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2026年5月)」)。
星座も同じで、暗い星から順に空へ溶けていきます。
だから市街地では、方針を切り替えます。
星座のすべての星を追うのをやめ、明るい星だけを結んで骨格をたどる。
オリオン座なら三つ星とベテルギウス、リゲルの4点。
夏なら、ベガ・アルタイル・デネブの3点だけで夏の大三角の位置を押さえる。
これだけでも、その星座がそこにあると確認できます。
低い空は、さらに条件が悪くなります。
国立天文台は、カノープスが空の低い位置に見えるときには地球の大気の影響を受けるため、明るさは実際よりも暗く、色は赤みがかって見られると説明しています(出典: 国立天文台「カノープスを見つけよう(2026年2月)」)。
同じ解説は、よく晴れた夜に南の空が開けた場所で探すことをすすめています。
条件のよい空を探す手もあります。
国立天文台によると、地域を挙げて影響の小さい照明に交換し、国際団体に「星空保護区®」として認定された地域が国内に4つあります(出典: 国立天文台「みんなで取り戻す、美しい夜空」・2024年1月時点)。



見つからないのは、君の目が悪いからじゃないよ。空が明るいと、暗い星から先に消えていくんだ。


星座の起源は古代にさかのぼりプトレマイオスの48星座が土台になった
一覧に古い星座と新しい星座が混ざっている理由は、成り立ちをたどると分かります。
古代の人々が星の並びに名前を与えたことが始まり
星座の始まりは、実用でした。
古来、夜空に輝く星を見て、穀物の収穫時期や雨期を知ったり、また星を頼りに大海原に船をこぎ出したりと、人間の営みは星と深く結びついていました。
(出典: 国立天文台「88星座と国際天文学連合」)
暦であり、地図であり、その延長に名付けがありました。
同じ解説は、人々が夜空の星のならびに想像を巡らせ、思い思いに星々を結んではさまざまな動物や器物に見立てて名前をつけ、それが後に「星座」と呼ばれるものになった、と続けています。
日本にも同じ営みの記録があります。
国立天文台暦計算室は、星の和名から季節を読み取っていた例を挙げています。
うしかい座のアークトゥルスは「麦星、麦熟れ星、麦刈り星」と呼ばれ、明け方の東の空に出るころには麦蒔き、西に入るころには麦刈りの季節を指しました(出典: 国立天文台暦計算室「暦Wiki/季節/季節の星座」)。
おうし座のすばるやオリオン座のみつぼしも、南中する時期が農作業の目安として言い伝えられていました。
日本の外にも、同じ発想の記録が残っています。
同室によると、古代エジプトでは、日の出直前にシリウスが昇る現象(同室の表記ではヒライアカル・ライジング)を観測して、洪水の季節を把握していました(出典: 国立天文台暦計算室「暦Wiki/季節/季節の星座」)。
星がいつ・どこに見えるかを押さえることが、そのまま季節を知る手段になっていたわけです。
星は、時計であり暦でした。
センサーも通信網もない時代に、誰もが共有できる唯一の基準が空にありました。
その蓄積が、2世紀のプトレマイオスによる体系化につながります。
プトレマイオスがまとめた48星座が現在の星座の骨格
星座についての体系的な記録は、2世紀に現れます。
国立天文台によると、星座についてのまとまった記載は、アレクサンドリアの学者プトレマイオスが紀元150年頃にまとめた『アルマゲスト』に見られます。
そこには、黄道に沿った12の星座をはじめとする48の星座が記されています(出典: 国立天文台「88星座と国際天文学連合」)。
黄道十二星座が48星座の中核に置かれていた点は、現在の一覧にもそのまま残っています。
48星座は、現在の88星座にどう引き継がれたか。
国立天文台は、IAUによってプトレマイオスの48星座に後世に考案された南天を中心とした星座を加えた88の星座が決められた、と説明しています(出典: 同)。
つまり88星座の土台の部分が、この48です。
ただし数え方には注意が要ります。
国立天文台暦計算室の星座一覧で、プトレマイオスの48星座に印が付く星座を数えると50になります。
同室はこれについて、印が2つ付いているりゅうこつ座、とも座、ほ座はアルゴ座に分類されていると注記しています(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 星座の名前」)。
かつてのアルゴ座というひとつの大きな星座が、現在は3つに分かれているという意味です。
3つをひとつと数え直せば、48に戻ります。
一覧を眺めるとき、この48を「古い層」だと思って見ると、名前の質感の違いが浮かび上がります。
オリオン座、さそり座、おおぐま座のように、神話や動物に由来するものが古い層です。
南天の星座は航海と観測が進んだ時代に加えられた
残りの40星座は、48星座が定まったあとに加えられたものです。
国立天文台は、中世のヨーロッパ諸国に伝わったプトレマイオスの48星座が、大航海時代以降に大きな変化を迎えたと説明しています。
南半球へ進出した航海者や天文学者たちが次々と新しい星座を考案し、南半球から見える星々で作られた星座や、小動物や器物の星座が、48星座の隙間を縫うように加えられました(出典: 国立天文台「88星座と国際天文学連合」)。
やがて、天文学者の経済的後援者である国王や貴族にちなんだ小さな星座まで加えられるようになり、それが19世紀初め頃まで続く混乱を招いたとされています。
この経緯は、一覧表の名前にはっきり残っています。
道具の名を持つ星座を意味ごとに拾うと、次のような顔ぶれです。
- 観測器具の名を持つもの(ぼうえんきょう座・けんびきょう座・ろくぶんぎ座・はちぶんぎ座・レチクル座)
- 航海や工作の道具の名を持つもの(らしんばん座・コンパス座・じょうぎ座・とけい座・ポンプ座)
- 工房や作業にかかわる名を持つもの(ちょうこくぐ座・ちょうこくしつ座・ろ座・がか座)
神話の英雄も動物もいない、実用品の名前が並びます。
これらはいずれも、プトレマイオスの48星座には含まれていません(出典: 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 星座の名前」)。
観測装置の名前が空に残っているのは、その時代に何が最先端だったかの記録でもあります。
望遠鏡や顕微鏡、六分儀は、当時の科学と航海を支えた道具でした。
現代の宇宙開発でも、観測装置の設計や運用は中心的な仕事のひとつです。
空に刻まれた道具の名前は、その系譜のいちばん古い層にあたります。



空に望遠鏡や顕微鏡の名前が残っているのは、面白いよね。星座の一覧は、人間がその時代に何を大事にしてきたかの記録でもあるんだ。
よくある質問
まとめ 星座一覧は季節と目印の星をセットで覚える
88星座は、暗記するためのリストではありません。
天球を隙間なく分けた区画の名前であり、空の住所です。
住所である以上、覚えるべきは名前そのものより、いつ・どの方角に出てくるかという情報のほうです。
この記事の一覧表には、国立天文台が示す「位置の目安」を付けました。
気になった星座の欄を見て、その時期の20時ごろ、南の空を見上げる。
明るい星から順にたどれば、街の中でも骨格は見えます。
たどり方の起点は、季節ごとに決まっています。
春は北斗七星からの大曲線、夏はベガとアルタイルとデネブ、秋は四辺形、冬は三つ星。
この4つを覚えておけば、一年のどの夜にも入口があります。
次に晴れた夜は、まず今の季節の目印を探してみてください。
ひとつ見つかると、隣の星座が急に近く感じられます。
出典
- 国立天文台「88星座と国際天文学連合」
- 国立天文台「星座名・星座略符一覧(星座名順)」
- 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 星座の名前」
- 国立天文台暦計算室「こよみ用語解説 おもな恒星」
- 国立天文台暦計算室「暦Wiki/季節/季節の星座」
- 国立天文台暦計算室「暦Wiki/黄道十二宮」
- 国立天文台「カノープスを見つけよう(2026年2月)」
- 国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2026年1月)」
- 国立天文台「東京の星空・カレンダー・惑星(2026年5月)」
- 国立天文台「石垣島天文台「南十字星モニター」の楽しみ方6選」
- 国立天文台「みんなで取り戻す、美しい夜空」
- 国立天文台暦計算室「今日のほしぞら」