宇宙の匂いはどんな匂い?宇宙飛行士が語る金属臭と月の砂の火薬臭

宇宙の匂いはどんな匂い?宇宙飛行士が語る金属臭と月の砂の火薬臭

宇宙の匂いについて、元NASA宇宙飛行士のグレッグ・シャミトフ氏は「非常に強い金属臭」だと語っています。
その匂いを感じるのは宇宙空間そのものではありません。
船外活動を終えて宇宙船の中に戻り、ヘルメットを外したときです。
ほかの宇宙飛行士は、甘い匂いのする溶接の煙や、くるみとバイクのブレーキパッドの中間など、別の例えで表現しています。

月面でも、アポロの乗組員が月の砂の匂いを報告しています。
デビッド・スコット氏は、思いつくいちばん近い例えとして「火薬」を挙げました。

匂いの正体は、まだ確定していません。
NASAエイムズ研究センターの研究者は、すすなどに含まれる分子や、宇宙ステーションの周りで起きる素材の酸化を候補に挙げています。

※記事の要点は、以下のスライドでもサッと確認できます。

目次

宇宙の匂いはどんな匂い?宇宙飛行士の証言

宇宙飛行士が語る「宇宙の匂い」

宇宙の匂いとしてNASAが紹介している証言には、金属や溶接の煙、焼いた肉に例えたものが並んでいます。
NASAエイムズ研究センターは、2021年12月の解説記事「What does space smell like?」で、複数の宇宙飛行士の表現を紹介しています(出典:NASA Ames「Interesting Fact of the Month December 2021: What does space smell like?」)。

記事に載っている主な表現は、次のとおりです。

発言者表現
グレッグ・シャミトフ氏(元NASA宇宙飛行士)本当に、本当に強い金属臭
ドン・ペティット氏(宇宙飛行士。2003年のミッション後にNASAのブログで)金属的で、心地よい甘さのある匂い。甘い匂いのする溶接の煙を思い出させる
アレクサンダー・ゲルスト氏(欧州宇宙機関(ESA)の宇宙飛行士。Twitterで)くるみとバイクのブレーキパッドの中間
ケビン・フォード氏(NASA宇宙飛行士。2009年に軌道上から)前に嗅いだことはないが、決して忘れない匂い

ペティット氏は、大学時代の夏に溶接の道具で重機を修理していた経験から、溶接の煙を例えに挙げています。
このほかに、火薬やオゾン、焼いたステーキに例えた宇宙飛行士もいます。

船外活動のあとに感じる強い金属臭

NASAの解説によると、宇宙飛行士は船外活動から戻ってヘルメットを外したとき、宇宙服に付いてきた分子の匂いを感じます。
船外活動とは、宇宙服を着て宇宙船の外に出て作業することです。
作業を終えた宇宙飛行士は、エアロック(外と船内の間にある気密の小部屋)を通って船内へ戻ります。
ヘルメットを外して船内の空気を吸ったところで、この匂いに気づきます。

同じ記事は、その場面の説明に続けてシャミトフ氏の言葉を紹介しています。
シャミトフ氏は、宇宙には本当に独特な匂いがひとつあり、自分たちはそれを「宇宙の匂い」と呼んでいると話しました。
そして、その匂いを「本当に、本当に強い金属臭」と表現しています。
ペティット氏も、いちばん近い言葉として「金属的」を選んでいます。

ほしまる

匂いがするのは外じゃなくて、船の中に戻ってヘルメットを外した瞬間なんだね。じゃあ、空気のない外の分子が、どうやって鼻まで届くんだろう?

証言した本人も正体は分からないと語っている

この匂いの正体は分かっていません。
シャミトフ氏自身が、同じ発言の中で「それが何なのか、正確には分からない」と付け加えています。
NASAエイムズの記事も、何がこの匂いを生んでいるのかという問いに対して、短く答えれば分からない、としています。

証言の例えも、宇宙飛行士ごとに違います。
金属、溶接の煙、焼いたステーキ、火薬やオゾン、くるみとバイクのブレーキパッドと、挙がる例えはばらばらです。

そのうえで、同じ記事には2人の研究者の推測が載っています。
ひとりは、NASAエイムズの天体物理・天体化学研究室で所長を務めたルイス・アラマンドーラ氏です。
アラマンドーラ氏は、多環芳香族炭化水素(PAH)が匂いに寄与している可能性が高いとみています。
PAHは、炭素を骨格にした金網のような形の分子で、宇宙のあちこちにあります。
地球上でも、すす、車の排気、焦げたトースト、焦げた肉などに含まれています。

もうひとりは、NASAエイムズの上級研究員スコット・サンフォード氏です。
サンフォード氏は、宇宙ステーションの飛行士が感じる匂いの多くは、燃焼に似た反応の結果だろうとみています。
国際宇宙ステーション(ISS)が飛ぶ高さには、酸素を含むごく薄い大気が残っています。
ステーションはその中を突き進むため、周りに活性化した酸素ができ、素材が酸化されます。
サンフォード氏は、宇宙服でも同じことが起きているはずだと述べています。

薄い大気の中を進むISSの周りで酸素が素材を酸化する様子の模式図
サンフォード氏の推測の図。ISSは酸素を含むごく薄い大気の中を進むため、周りに活性化した酸素ができて素材が酸化され、それが匂いの多くを生んでいるとみています(匂いの元の分子は特定されていません)(図解はイメージです)

2つの見方は、どちらも研究者の推測です。
匂いの元になる分子を特定した段階ではありません。

真空の宇宙でなぜ匂いを感じるのか

匂いが鼻に届くまでの3段階

空気のない宇宙で匂いが分かるのは、匂いを嗅いでいる場所が宇宙空間ではなく、空気のある船内だからです。
NASAは、宇宙飛行士が嗅いでいるのを「宇宙服に乗ってついてきた分子の匂い」と説明しています。
流れを3つの段階に分けると、次のようになります。

1つ目の段階は、船外活動の最中です。
宇宙服の中は、外とは切り離された空気で満たされています。
宇宙飛行士は、その空気を吸って呼吸しています。
NASAの記事によると、作業中の宇宙服の中はプラスチックのような匂いがするだけで、宇宙の匂いは嗅げません。

2つ目の段階は、船内へ戻るときです。
船外で作業している間、宇宙服や道具の表面には、外の環境にある分子が付きます。
NASAの記事は、匂いが宇宙服、ヘルメット、手袋、道具にまとわりつくと書いています。
宇宙飛行士がエアロックを通って船内に入ると、表面に付いた分子も一緒に船内へ運ばれます。

3つ目の段階は、ヘルメットを外したときです。
船内には呼吸できる空気があります。
宇宙服から離れた分子が空気中に漂い、ヘルメットを外した宇宙飛行士の鼻に届きます。
ここで初めて、匂いとして感じられます。

宇宙服に付いた分子が船外からエアロックを通って船内の空気中に漂う流れの図
宇宙の匂いが鼻に届くまでの流れ。船外活動中に宇宙服や道具の表面に付いた分子が、エアロックを通って船内へ運ばれ、ヘルメットを外したあとに空気中を漂って鼻に届きます(NASAの説明にもとづく)(図解はイメージです)

匂いを感じる仕組みそのものは、地上と同じです。
鼻は、空気中に漂う分子を受け取って匂いを感じます。
宇宙空間には分子を運ぶ空気がほとんどないので、匂いを感じるには、分子を空気のある場所まで運ぶ必要があります。
宇宙服がその運び役になっている、というのがNASAの説明です。
運ばれるものについては、サンフォード氏のように、酸化した宇宙服の素材が匂いの多くを占めるとみる研究者もいます。

月の砂は火薬の匂い?アポロ乗組員の報告

アポロ乗組員が報告した月の砂の匂い

宇宙の匂いは、場所によって報告のされ方が違います。
ISSで語られる匂いに対し、月面に降りたアポロの乗組員は、月の砂の匂いを報告しました。
月の表面を覆う細かい砂や岩のかけらは、レゴリスと呼ばれます。

この報告をまとめているのが、NASAグレン研究センターのJames R. Gaier氏による技術報告書です(出典:NASA/TM—2005-213610/REV1「The Effects of Lunar Dust on EVA Systems During the Apollo Missions」、2007年4月)。
報告書は、月の砂が宇宙服や機器に与えた影響を、アポロの各ミッションの記録から整理しています。
匂いの話は、その中の一部として出てきます。

アポロ11号と15号で報告された匂いの違い

報告書の表には、ミッションごとに月の砂についての記録が並んでいます。
匂いに触れた記録は、アポロ11号と15号のものです。

ミッション報告書に記録された内容
アポロ11号月の物質から、はっきりした刺激臭がした
アポロ15号船外活動から最初に戻ったとき、火薬のような匂いがした

報告書の本文は、アポロ11号の場面も説明しています。
乗組員がヘルメットを外すと、月の物質からはっきりした刺激臭が出ていることに気づいた、という記述です。

どちらも、船内でヘルメットを外したあとに匂いに気づいています。
ISSでの証言と同じく、外から持ち込んだものの匂いを船内で感じた報告です。
一方で、11号は「刺激臭」、15号は「火薬」と、匂いの表現は違います。

デビッド・スコットが例えた火薬の匂い

「火薬」という例えは、アポロ15号の船長デビッド・スコット氏の言葉です。
報告書は、スコット氏の発言をそのまま載せています。

発言の内容を日本語にすると、次のとおりです。

  • 船内の空気を整える装置(報告書の表記ではECS)がかなりうまく掃除してくれて、匂いは消えた。
  • ヘルメットを外すと、月の土の匂いがした。
  • 思いつくいちばん近い例えは、火薬だった。

この発言からは、2つのことが分かります。
ひとつは、匂いに気づいたのがやはりヘルメットを外したときだったことです。
もうひとつは、スコット氏の発言では、船内の空気を整える装置が働いて匂いは消えたことです。

「火薬」は、月の砂が火薬と同じ成分だという意味ではありません。
知っている匂いの中でもっとも近いものとして、スコット氏が挙げた表現です。

粒子の表面に反応しやすい物質があるという推測

報告書は、乗組員の報告をもとに、匂いの理由についてひとつの推測を書いています。
月の砂から刺激臭がしたことは、砂の粒子の表面に反応しやすい揮発性の物質がある可能性を示している、という内容です。
揮発性の物質とは、気体になって空気中に出ていきやすい物質のことです。

ここで報告書が使っている言葉は「示唆している」で、確認したとは書いていません。
報告書は、その物質が何かも特定していません。
匂いがしたという報告から、粒子の表面で何かが起きていると考えた段階の推測です。

彗星や惑星にも匂いのもとになる分子がある

天体で見つかった匂いのもとになる分子

人が行っていない天体の匂いを、誰かが直接嗅いだことはありません。
分かっているのは、観測によってその天体に含まれる分子が見つかっていることです。
見つかった分子の中には、地球上なら強い匂いを持つものがあります。

天体の分子は、光や電波の性質を調べることで見つけます。
分子は、種類ごとに決まった波長の光や電波を吸収したり出したりします。
その波長のパターンを調べれば、遠くの天体にどんな分子があるのかが分かります。
探査機を送り込める天体なら、ガスを直接集めて調べる方法もあります。

光がガスを通って望遠鏡に届き、スペクトルに吸収の線が現れる仕組みの模式図
天体の分子を見つける仕組み。分子は種類ごとに決まった波長の光や電波を吸収したり出したりするため、その波長のパターンを調べると、遠くの天体にどんな分子があるのかが分かります(図解はイメージです)

ここで紹介する3つの例は、いずれも分子の検出です。
その天体のそばで実際に匂いを嗅いだらどう感じるかまでは、観測からは分かりません。

彗星67Pのガスから見つかった硫化水素やアンモニア

ESAの探査機ロゼッタは、チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星(67P/C-G)を間近で観測しました。
ロゼッタに積まれた観測装置ROSINA(Rosetta Orbiter Sensor for Ion and Neutral Analysis)は、2台の質量分析計を使い、2014年8月初めから彗星のガスを調べてきました(出典:ESA Rosetta blog「The ‘perfume’ of 67P/C-G」、2014年10月23日)。
質量分析計とは、分子の重さの違いを手がかりに、ガスに含まれる分子の種類を見分ける装置です。

事前の想定では、彗星から出てくるのは二酸化炭素と一酸化炭素だけだと考えられていました。
しかしROSINAは、それより多くの種類の分子を検出しました。
検出の報告は2回に分かれています。

報告の時期検出された分子
2014年9月11日の報告まで水、一酸化炭素、二酸化炭素、アンモニア、メタン、メタノール
2014年10月23日の報告で追加ホルムアルデヒド、硫化水素、シアン化水素、二酸化硫黄、二硫化炭素

ROSINAの主任研究者カトリン・アルテッグ氏(ベルン大学)は、検出した分子の匂いを組み合わせて、この彗星の「香水」を描写しています。
挙げられている匂いは次のとおりです。

  • 硫化水素の、腐った卵の匂い
  • アンモニアの、馬小屋の匂い
  • ホルムアルデヒドの、鼻をつく息苦しい匂い
  • シアン化水素の、かすかで苦いアーモンドのような香り
  • メタノールのアルコールの匂い、二酸化硫黄のお酢のような匂い、二硫化炭素の甘い香り

ブログは、この香水があまり魅力的なものにはなりそうにないと書いています。
同時に、これらの分子の密度は非常に低く、彗星を包むガスの大部分は水と二酸化炭素、一酸化炭素だと断っています。
アルテッグ氏の描写は、地球で知られている匂いから組み立てた想像です。
混ざり合った全体がどんな匂いになるのかを、彗星のそばで確かめた人はいません。

天王星の雲の上で確認された硫化水素

2018年には、天王星の雲の上に硫化水素があることが確認されました(出典:NASA JPL「What Uranus’ Cloud Tops Have in Common With Rotten Eggs」、2018年4月24日)。
成果は学術誌Nature Astronomyの2018年4月23日号に掲載されました。
主著者は、イギリスのオックスフォード大学のパトリック・アーウィン氏です。

観測に使われたのは、ハワイのマウナケア山にあるジェミニ北望遠鏡と、近赤外線面分光器(NIFS)です。
近赤外線面分光器は、目に見えない赤外線を波長ごとに細かく分けて記録する装置です。
観測チームは、天王星の大気で、目に見える主な雲の層のすぐ上から反射してくる太陽光を調べました。
その光の中に、硫化水素が吸収した跡を見つけています。

アーウィン氏は、検出しようとしていた吸収の線はかろうじて見える程度だったと話しています。
それでもNIFSの感度とマウナケアの観測条件のおかげで、はっきり検出できたと説明しています。

この結果は、木星や土星との違いでもあります。
木星と土星では、雲の上にアンモニアが見られ、硫化水素は見られません。
天王星では、雲の上に硫化水素が見つかりました。
JPLの記事は、海王星の雲の上にも「おそらく」硫化水素があるとしていますが、確認済みとは書いていません。

天の川銀河の中心近くで見つかったギ酸エチル

天体の分子の中には、果物のような香りを持つ物質の仲間もあります。
2009年、マックス・プランク電波天文学研究所(MPIfR)などの研究チームが、宇宙空間でギ酸エチルとn-プロピルシアニドを検出したと発表しました(出典:Max Planck Institute for Radio Astronomy プレスリリース、2009年4月21日)。
研究チームには、ドイツのMPIfR、アメリカのコーネル大学、ドイツのケルン大学が参加しています。

観測場所は、天の川銀河の中心近くにある星形成領域、いて座B2です。
星形成領域とは、ガスやちりが集まって新しい星が生まれている場所のことです。
研究チームは、スペインにある口径30mのIRAM 30m望遠鏡で、この領域の分子が出す電波をとらえました。
2つの分子が見つかったのは、生まれたばかりの明るい星を含む、高温で密度の高いガスの雲です。

IRAM望遠鏡で検出したスペクトル線は3,700本ありました。
スペクトル線とは、分子が特定の波長で出す電波の印のことです。
研究チームは、そのうち36本がこの2つの分子のものだと特定しました。

ギ酸エチルはエステル、n-プロピルシアニドはシアン化アルキルという種類の分子です。
発表の時点で、この2つはそれぞれの種類の中で、宇宙空間で見つかった最も複雑な分子でした。
エステルの仲間には、果物の香りのもとになる物質が多く含まれます。
ただし、ガスの雲の中では分子がごく薄く広がっているので、その場所が果物の香りで満ちているわけではありません。

宇宙船に持ち込む物は匂いの試験を受ける

宇宙では、匂いは安全と仕事に関わる問題として管理されています。
NASAのホワイトサンズ試験施設は、宇宙へ送る物の匂いを、打ち上げ前に評価しています(出典:NASA「Odor Evaluation」)。

NASAホワイトサンズ試験施設
NASAホワイトサンズ試験施設。宇宙へ送る物の匂いを、打ち上げ前に評価しています Credit: NASA

匂いを評価する理由として、NASAは2つを挙げています。
ひとつは、宇宙飛行士の体調と作業への影響です。
ISSの閉じた環境では、不快な匂いや嫌な匂いが宇宙飛行士の吐き気を招き、作業の効率や任務を危うくするおそれがあります。

もうひとつは、異常に気づく力への影響です。
強い匂いが続くと、鼻が慣れて匂いを感じにくくなります。
NASAはこれを「嗅覚の飽和」と呼び、火災やアンモニア漏れのような緊急事態に気づく力が落ちるおそれがあるとしています。
地上の家なら窓を開ければ済みますが、宇宙ステーションでは外の空気を入れられません。

試験の手順は、次のように進みます。

  • 評価の前に、有毒なガスを出さないかを調べる試験を行い、有毒な物を除く
  • 医療の専門家による鼻と喉の検査を受けた5人以上のボランティアが、匂いの評価をする担当者になる
  • 担当者は、試料をプラスチックのマスク越しに嗅ぎ、匂いの強さと質を評価する

担当者になるには、資格の確認もあります。
エーテル、樟脳、ムスク、花、ミント、刺激臭、腐敗臭という7つの基本の匂いと、3つの無臭の試料の合計10の試料を、正しく見分ける必要があります。

NASAは、人間の鼻を「利用できる最も感度の高い検出方法」と表現しています。

よくある質問

宇宙空間で宇宙服を脱いだら匂いを嗅げますか?

嗅げません。
宇宙空間はほぼ真空で、呼吸できる空気がありません。
宇宙服を脱げば命に関わり、匂いを感じるどころではありません。
宇宙飛行士が「宇宙の匂い」と呼んでいるのは、宇宙服や道具に付いた分子が船内に持ち込まれ、ヘルメットを外したあとに感じる匂いです(NASA Ames 2021年12月の解説)。

まとめ

宇宙の匂いについて、分かっていることと、まだ分からないことを整理します。

分かっていることは次のとおりです。

  • 船外活動後の匂いを、シャミトフ氏は「非常に強い金属臭」、ペティット氏は甘い溶接の煙に例えている
  • アポロ11号では月の砂の刺激臭、15号では火薬のような匂いが報告されている
  • 彗星67Pのガスや天王星の雲の上からは、地球上なら匂いを持つ硫化水素などが見つかっている
  • NASAは宇宙へ送る物の匂いを、人の鼻で事前に評価している

まだ分からないことは次のとおりです。

  • 船外活動後の匂いの正体(PAHや素材の酸化を挙げる研究者の推測はあるが、確定していない)
  • 月の砂の粒子の表面で、匂いのもとになる物質が何なのか
  • 天体で見つかった分子が混ざったとき、全体がどんな匂いになるのか

宇宙飛行士たちの例えは、金属、溶接の煙、くるみとバイクのブレーキパッドとばらばらです。
その匂いの正体も、まだ確定していません。

出典

ほしまる
記事について、お気づきの点はありますか? 内容の誤りのご指摘、取材・掲載のご依頼をお待ちしています。
お問い合わせフォームへ →
SISTER SITE — ASTRONOTE 働く前に、恋をしよう。宇宙に。 ブラックホール、流れ星、フェルミのパラドックス。宇宙を好きになる読みものは、姉妹サイト ASTRONOTE に。
ASTRONOTE へ →